「アリー」と「カリスマ」
「アリー・マイラブ2」のVOL3、第5話6話を観る。5話の展開はとりわけ秀逸だった。ツイストDシャウトをあれほど美しく使ったドラマをはじめて観た気がする。喜怒哀楽のバランスが極めて巧妙に塩梅されていて、かつ喜と楽を増量してあるという、映画学校のお手本のような仕上げになっている。すべての布石が巧緻なアラベスクとなっているので、気を抜く瞬間がまったくない。見逃したシーンの数だけ、観客は混乱の度合いを深めることになる。CMのブレイクタイムがまことに効果的に配されているのがよくわかる。

続けて国産の「カリスマ」を観た。
タルコフスキーの猿真似のような絵づくりで、猿真似の分だけ上滑りが見苦しい。
役所はなぜ、こんなシナリオに出演するのか、まったくダボハゼのようである。
どこまでこの馬鹿げた思わせぶりがつづくのか最後までつきあったが、徹底して思わせぶりのままで終わった。
撮影がなかなかだっただけに、ギャップの大きさに暗澹とした感情が残る。
映像の美しさというのは、何なのだろう。

比較するようなことではないが、
たまたま借りた日が同じだった悲劇である。