砂漠の北風と花の銀座の国防服
一夜開けた東京は北風である。
湿度もいきなり50%。
昨日のあの砂漠のような一日は何だったのか。
窓を開け放ち、エアコンを停めたが、かえって涼しい。
昼近くに起きて新聞を読んだが昨日の狂ったような一日について
まともな記事はどこにもなかった。横浜の大停電も記事なし。
テレビをつけると元青嵐会の血判知事慎太郎がカーキ色の国防服のようなものを着て強姦罪容疑者の森総理と並んで銀座に立っていた。
その銀座は軍隊が占拠して防災訓練。
戦闘用の服のままだから異様である。
ほかに使い道もないわけだからコストセーブを考えればまっとうな
使い方と言えなくもないが、にしてもあれはない。
このことに対する賛も否も新聞は一切なし。
テレビ欄以外にまともに読むこともないのでかまわないが、
さすがに1000万部も売る「クオリティペーパー」だけのことはある。おそろしく空虚である。
一昨日長い夏休みを終わってやっと避難命令後の三宅島に行き
「ききしに勝る惨状」と会見した慎太郎の能天気ぶりを非難する記事もいまだに一行も見かけない。
バカの一つ覚えのように「IT」一色になりつつある日本で、
首都の代表が「ききしに勝る」とは恐れ入る。慎太郎はテレビを
持っていないのだろうか。インターネットはキーボードアレルギーで使わないのだろうか。文の人は「見る」ことを拒むのか?
リコールは起きないのか?ヒマな学生とかが都庁に押し掛けたりはしないのか。
東京都はどうして誰も住まなくなったような都営団地のようなものしか提供しようとしないのか。棄民か?
一時金10万円というのはどこから算出した数字なのか。
いまどき中学生の援交バイトでも二日で手にできるカネだろう。
自主避難した人には渡す算段つかず、とはなんなのか。
都民の税金を地方に回して人の入らない美術館や音楽ホールをつくったり、ほとんどクルマの通らない高速道路に回すことを
一二年やめると、どうして宣言できないのか。
一千三百万の都民がいて、どうしてわずかな数の島人に渡るカネが
10万なんだ。10万!家族で飯食ったら一回でパーじゃねえか。
こういうことを新聞は書けよ。
朝日だの読売だの紙名からして小学生の習字の手本なみだからか?
こんなクソのような紙くずでも、俺は仕事ゆえにとらざるを得ないわけだから、俺も目くそ鼻くそかもな。
広告稼業をしていて、なんとなく恥ずかしい日曜日だった。

きょうはうつむき加減で、机に向おう。
こっそり音楽でも聴きながら、
砂を噛むような休日の午後をしのごう。