「サヨリ 針魚」
 冬から春にかけて水揚げされるサヨリ。その姿形から漢字では「細魚」とも書きます。
石川県では春の県魚に指定され、「花見魚」の別名で呼ばれてるそうで、京都府でも春の府魚に指定されるなど春を告げる風物詩になっています。

 昔から多くの詩人の歌などにも詠まれ、

  ・橋影に 失せてはのぼる サヨリかな   吾 亦紅

  ・汁椀に 沈むさよりの 結び文      山本 櫓村

  ・サヨリはうすい サヨリはほそい

   銀の魚 サヨリきらりと光れ サヨリお姉様に似ている  北原 白秋

等々があります。

 脂の乗り具合はほどほどで、姿形と同様に味は上品。刺し身が最も一般的ですが、てんぷらやお吸い物、一夜干しにしても美味しい。寿司店では、通好みのネタとして扱われています。

 鮮度が落ちやすく、腹部から痛んでくるため、スーパーなどで選ぶ際には、腹部が銀白色のものを選ぶと良いそうです。

 サヨリは綺麗な魚です、それ故に「魚界の美人」と言われますが、実はお腹が真っ黒な魚なのです。捌いてみるとわかりますが、お腹が本当に黒いんです。
そんなことで、姿は美しいが見かけによらず腹が黒い......。!(^^)!