「イチゴは野菜?」
 NHKの「ためしてガッテン」は、最先端の科学とユニークな実験で、毎週実用的な情報を提供している人気の番組です。
先日は今が旬の「イチゴ」を取り上げており、「1秒で糖度急上昇」の裏ワザや、気持ち良くキレイにへたを取る」快感のワザが方々で話題になっていました。

 ※ 内容は番組ホームページでも確認できます。

 処で、このイチゴ、農林水産省の定義では野菜に分類されていることをご存知でしょうか?

 野菜と果物の定義を調べると、辞書によって微妙に見解が分かれますが、おおまかな区分は下記のようになってます。

「野菜」は、食用に栽培された一年生か二年生の草で、様々な部位が食される。
「果物」は、多年生の木になる果実で、一般的に甘く生で食されるもの。
果物は実だけを食用とする。果物は、本来「木(く)の物」である。

 定義を見ても、あいまいで人によっては判断が分かれるのが容易に想像できますが、「一年生か二年生の草」と「多年生の木になる果実」と言う見方だと、イチゴやメロンなどは野菜に分類されるというわけです。

 ちなみに、イチゴの甘くておいしい実の部分は、狭義には果実ではく仮果あるいは偽果として区別されています。
実際にはまわりにたくさん付いている種だと思っているものが実で、さらにその中に種があるという構造になっているとのこと。
赤い部分は、もともとは茎だった花床という部分が肥大したものだそうです。

 トマトやスイカなど、野菜か果物かで議論したことのある人も多いかと思いますが、実際に行政によって判断が分かれるケースが少なくありません。
野菜はごはんのおかずになるもので、果物はおやつやデザートして食べるものという区別の仕方もあり、一般的には多分に感覚的な判断が優先されています。

 なお、アメリカでは、トマトが野菜か果物かを裁判所で争ったことがあるそうです。

 「甘くて生で食べられるもの」か、「デザートではなく、食事中に食べられるもの」かで争われ、野菜か果物かで関税率が違ったため最高裁までもつれ、最終的には「トマトは野菜である」との判断が下されています。

 ただ、トマトのように果実を食用とする野菜は「果菜」であるとの解釈を目にするとまたややこしくなってしまいます。