「おもてなしの心」
 9月は土日を含む19日から23日までの5連休があり、5月の「ゴールデンウィーク」に対してこれを「シルバーウィーク」と呼ぶそうです。

 もともと「秋分の日」は国民の祝日ですが、ハッピーマンデー制度によって「敬老の日」が9月第3月曜日に移行。それにより、22日は飛び石連休の解消のために特別に設けられた国民の祝日「国民の休日」となります。

 新型インフル拡散などの手控え要因は依然あるものの、旅行各社は夏休み期間中の旅行者数が国内・海外ともに前年比で減少しただけにシルバーウィーク特需に期待を寄せているようです。

 ところで、旅行新聞社主催で「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」というのが毎年発表されています。
ランキングは「もてなし部門」「料理部門」「施設部門」「企画部門」に分かれており、旅行客の宿探しの参考にもなっていますが、今年も石川県和倉温泉の老舗旅館「加賀屋」が総合1位(29年連続)に輝いています。

 加賀屋は施設部門でトップ、他の項目でも全て上位にランクイン。次いで総合2位はもてなし部門で1位を獲得した静岡県稲取温泉の「稲取銀水荘」、総合3位は企画部門1位だった山形県かみのやま温泉の「日本の宿古窯」となっています。

 ちなみに、加賀屋の強みは様々に分析されていますが、「おもてなしの心」が従業員に浸透しており、そのための人材マネジメント(教育や意思統一、動機付けなど)が秀逸だと評されてます。顧客からのクレームを大事に扱い、小さな点まで改善の目を行き届かせるのは顧客に信頼される企業に共通するものであり、加賀屋の女将や統括客室センター長が話す言葉(下記)にはあらゆるサービス業の指針となりえるヒントが含まれています。

「私たちが徹底しているのは、お客様からいただいたご意見を
 捨て子にしないということ。年間20万人の方がお泊まりに なりますが、その中の一つの意見も捨ててはならないと考え ています」

「注意をしてくれるのは期待があるから。その意味で一番怖いのは、問題があっても何も言われずに帰られてしまうことです。そこには天国と地獄の差があります」

「もちろんマニュアルはありますし、それを守るのは大事です。
 ただ、“おもてなし”というものは、マニュアルをこなせて 60点。それ以上はお客様と接する本人の感性次第です」