2013年11月の記事


藤井譲治編『近世の日本 支配のしくみ』
 藤井譲治編『近世の日本 支配のしくみ』。幕藩体制前期の支配原理を示す。

 一に組織原理、二に法体系、三に藩制原理と支配、四に町方支配、五に村落支配、六に武士の生活、七に武士の思想、つまり武士道。

 法体系は「誓紙と無記名法度の間」に、将軍家と諸侯の臣下過程の推移を読み解く。
 藩制原理と支配は岡山・池田家の家臣団形成を通じて詳述される。

 武士の生活。多くは江戸後期の著述にまかされてきた、とする。 その点を本書では、紀伊徳川家で家老職にあった三浦為時筆『御用留帳』『留帳』のと、その侍医職にあった石橋生庵筆『家乗(いえじょう)』から、記載。

 それぞれ、このシリーズの特徴ともいうべき、<総論ではなく各論を通じて、時代の一端を説明>を体現していると、みる。(中央公論社 1991年)
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「強行採決」するなの声 秘密保護法案
  「強行採決」するなの声 秘密保護法案。今朝がたネットで、秘密保護法の議論をながめていました。

  賛成なのだと思わせるお方は、メディアの一部の人間が「反対を主張」している、「左翼集団がいまだに反対」と書いて、問題の矮小化に懸命の感じ。

  「条文に書いてあることよりも、書いていないところで運用がどうなるか」。

  アメリカとの戦争で詔書に署名した方の施策を、旧内務官僚の息子さんが提案推進者になっていた、が。

  なぜ、急ぐ。 強行採決がささやかれたところに、この法案の秘密な部分が隠されているようでもある。
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地域商店街 議論されていないが
地域商店街 議論されていないが考えておきたい。キーワードは生活様式の転換。

その一は、消費・サービス受容の哲学の変更。

3.11以降、「想定内と想定外」が議論となり、本邦のコミュニティ紐帯の強靭さが、国際的注目をあびたところである、が。

その二は、炭酸ガス排出抑制のなかで、大型店へガソリンをばらまいて駆け付け、渋滞と危険との背中合わせで突破する点に、矛盾と不可思議を感じないか。

その三は、ホテル・百貨店の表示偽装。要するに消費者に対する人格、人権、尊厳の軽視に、消費者はいまなお、めざめないのか。

庶民にあったノウハウ、技術、思い入れが軽視され、メーカーに代替されて失業、リストラ、非正規雇用がまかりとおっているも、利潤がアメリカと財閥、なりあがり資本に流出する点に無関心でよいの、か。
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録画機能
 14日の導入の映像録画装置。なかなか、慣れてこない。

 予約録画。移転。消去。移転はハードディスクからコンパクトディスクに移すが、そこがまだギクシャク。

 初期化、ディスク読み込み、ダビング。ダビングも単発、複数番組と両様できるはずではあるが。

 録画してどうするか。管理票の作成も一仕事。データベースにするには、当面、手動。

 ともかく慣れること、肝腎。みなさん、いかが?。
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吉野川 祖谷
 吉野川 祖谷。四国は徳島県。こちらの県には脚をのばしていません。テレビ番組で、ジーッと固唾をのんで。

 藍染めの工程が紹介されているので、そこを若者に伝えてあげたい。

 大歩危、小歩危。この地名もよく聴く。ツタの橋で男橋(おばし)と女橋(めばし)。

 清流・吉野川の支流に祖谷川。この地下浸透水が住民のノドを潤す。名水。これで蕎麦をうつ。職人さんは、「カルキを使ってないから、全然、ちがう」。

 祖谷蕎麦をつくる蕎麦道場。つくり、食べているのをみて、夕食は蕎麦屋さんまで。歩いて、蕎麦処など専門店を利用できる。このマチの最善のポイントのひとつ。
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路線バス 窓外みつめて考えた。
  路線バス 窓外みつめて考えた。

  バスは、利用している人には便利ながら、なじむにそれなりの時間が必要。

  来るバスをまち、このマチのバスは料金、前払いカ、後ばらいか。居住者なら当然ながら、気になるところ。

  今、どこまで来ているのか不明。道路事情で、おおむね定時にくることはないが、遅れてくることを前提に、時間を見計らってゆくと、往々にして後ろ姿をみることなる。そのときの、腹のたつこと。

  「次の停留所を出ました」。表示のシステムはできていても、導入するかどうかは営業成績次第。 

 路線自体がなかなか、理解できない。乗りなれている人にはあたりまえでも、どこを経由するのか。最近はネットで検索することができるが、ネット弱者にはツライ。

 めざす施設にゆくとき、どの路線に乗ったらよいのか。戸惑う。

 帯広市で乗客不足を埋めるため、家庭訪問=得意先訪問をしてみたところ、この指摘があったそうで。

 赤字路線の指摘も多いが、努力の余地もありそう、だ。
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京都 西山
 テレビで今朝は京都 西山。東山、北山とおなじみながら、西山は実感がない。

 本願寺西山別院は、ここにあるのかな?。番組は紅葉の小徑を美しい映像で。

 一番は、木彫で仏像制作の場面。頭頂は一木造り、か。仏師の自信、資源を有用にするか、無駄にするか。見惚れていたが。
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大岡信著『続 折々のうた』
 大岡信著『続 折々のうた』。解説にいう。

 本書は、朝日新聞に日々、連載した歌の鑑賞と評論、コラムを、岩波新書で体系化し、座右におけることを目指したもの。
 一話180字。休肝日をのぞいて通年、書き続けた。「さすがに感慨がある」と書いて、「疲れた」とは書いていない。

 毎日の掲載と言っても、「かきためなかった」とも書いている。理由は、「季節のめぐりにある程度合わせて作品を選ぶという方針」にそっていると、する(あとがき)。

 歌を選び、独自の解釈のみならず、名歌をめぐる代表的歌論に目を通したうえでの、コラムである点が出色。
 本書、転載の意義があると言えそう。(岩波新書 1981年)。
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棲み分け 商店街
 先日、商店街振興組合の代表の方においでいただき、商店街の今とこれからを話していただいた。

 大型店対地元商店街、大型店対コンビニ。
 それぞれの、対立軸を示しておられた。他方で、専門店とはいえないまでも、そうした個性と集客力のある店がそろっていることに、いささかの誇りを示しておられたようにも、おもう。

 大型店やコンビニ化は現に存在する。
 すみわける手立てはないか。話はとぶが、公園も寺社も集客力が低下している。

 ヒントは、3,11.あのときの整然とした配給物資の受給。復旧に向けたボランティア。復興しようとする地域への思い入れ。
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地域商店街 議論されていないが考えておきたい
地域商店街 議論されていないが考えておきたい。キーワードは生活様式の転換。

その一は、消費・サービス受容の哲学の変更。
3.11以降、「想定内と想定外」が議論となり、本邦のコミュニティ紐帯の強靭さが、国際的注目をあびたところである、が。

その二は、炭酸ガス排出抑制のなかで、大型店へガソリンをばらまいて駆け付け、渋滞と危険との背中合わせで突破する点に、矛盾と不可思議を感じないか。

その三は、ホテル・百貨店の表示偽装。要するに消費者に対する人格、人権、尊厳の軽視に、消費者はいまなお、めざめないのか。

庶民にあったノウハウ、技術、思い入れが軽視され、メーカーに代替されて失業、リストラ、非正規雇用がまかりとおっているも、利潤がアメリカと財閥、なりあがり資本に流出する点に無関心でよいの、か。
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誓紙 無名法度の間 藤井譲治
  誓紙 無名法度の間 藤井譲治。江戸幕府の支配構造を法制度のうえから段階にわけると、四段階になるという。

  将軍に誓紙を提出する初期段階。法度とよばれる武家の分国法のシステムにのっとる第二段階。「禁中並公家諸法度」や、「武家諸法度」が知られる。将軍の大名統制、二つ目の段階。幕藩体制が確立するも、大名統制のレベルにあって領国内の庶民支配には及ばない。

  第三段階は老中奉書という連署で宛先表示のある、キリシタン取り締まりや永代土地売買禁止令。このあたりになると、大名家臣団の忠誠から庶民生活にも権力の判断が及ぶ。

 第四段階は「無記の法度」。発信者も受信者も記名がない。御祐筆の条文記載の書面のみで、発給者は将軍家、受信者は受け取る大名家。

 誓紙はうけとるほうの「応諾」の意思表示をすくなくも必要とするが、「無記の法度」は権力側の一方的強要と、「力関係」が言外に表現されている、とする。

 (藤井譲治著「『法度』の支配」 『近世の日本 支配のしくみ』 中央公論社 1991年所収)。
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大久保洋子著『江戸の食・現代の食』
 江戸時代、日本的生活様式なるものが成立したのかと思う。
 江戸幕府が開かれ、日本が世界史につらなる一方、文化の拠点が京坂から江戸、担当者も公家・有力商人から、江戸の商工業者・庶民に移転したと、見てよいのではないか。

 日本的生活様式。
 それは衣食住にわたるが、とりわけ「食」の庶民化は、すこしずつ庶民が人間らしいまっとうな生活を営むことができた点で、注目してよい点であろう。

 『江戸の食・現代の食』。
 この本は、「酒と醤油」「調味料とだし」「鰻と泥鰌」「膳からちゃぶ台へ」「料理屋の誕生と日本料理の完成」「外国食材の流入と日本化」と、それぞれが江戸で普及する分岐点を示す。

 元祖ファーストフード。
 他方で、江戸にはじまり江戸で普及した、そば・すし・天ぷらは「元祖ファーストフード」として、一群を形成する。
 気が短く、仕事に忙しい江戸っ子のために、試行錯誤で誕生したファーストフード。天ぷらは今日にいう強力粉でコロモをつくらざるをえなかったから、「カラリとはあげられなかったはず」と想像する。

 食の大衆化。
 それはたいへんな努力。そのことが行のすみいずみにあふれ、コキミ良い。
 一言、要望しておくならば、いろいろな食の転換点をどこに画くするのか。
 多分、元禄・享保から化政期のあたりにゆきつくのであろうが、そこのところで著者のホンネを聞いてみたい。(日本放送出版協会 2013年)。
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旨味 風味
 枕崎のカツオ出汁。旨味と風味がそろっているという話。京都大学大学院の先生の解説。

 旨味は世界の人が好む味。でわ、風味は。

 風味は「口の中に広がった味が、鼻先からぬけてゆくかおり」。

 そういう風に説明をわける、か。
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松島「四大観」(しだいかん)
「富山」=“麗観”  静寂な趣ただよう大仰寺の庭から東南西の三方を一望

「多聞山」=“偉観”  断崖に太平洋から打ち寄せては砕け散る波の雄大

「大高森」=“壮観”  松島の形状を箱庭のように見られる

「扇谷」=“幽観”  、山頂からは松島湾の入り江が扇を広げたように浮かんで見える

 ここまで、新発見。そこまで、特質を明示する。その努力に拍手。
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成毛 眞著『面白い本』
  成毛 眞著『面白い本』 百冊とは書いてあるが、百冊強。

  本の書評とは「かくあるべき」の、見本を示すような42字×20行から、写真と紹介のスペース17字×5行をのぞいた分が、紹介のキャパシティ。

 分類に、著者の書評観。
 「ピンポイント歴史学」「学べない生き方」「ヘビーなサイエンス」「シチュエーション別読書法」「ウソのノンフィクション」「タイヘンな本たち」「金と仕事ものづくり」「事実は小説よりも奇なり」「鉄板すぎて紹介しるのも恥ずかしい本」。

 若者なら。
 理解できるのだろう。この区分タイトル。でも、選書対象はハードで歳よりならずともジャンルが広すぎて、追いつくのがたいへん。

 背後に読書と書評のなかま。
 定期的に選書と書評のトークの機会があるらしい。そうした議論のなかから生まれた成果でもあるようだ。

 
 自らの読書の領域をはかり、今日的「知の水準」を理解するためには、まずは眼をとおす。そうした、一冊。(岩波新書1409 2013年)。
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アルギン酸抽出 小林元少将
アルギン酸抽出 小林元少将 海軍大臣の米内光政大将の関係で、海軍の将校が本市に関係したケースとして、私が記憶しているのは、アルギン酸工場を釧路港に開設したいという話が持ち込まれたことがある。
そのとき、私は港湾課の職員でこの申請を審査したが、結論的にいうと港町に建設することを許可する事務を担当した。

昭和27年ころの話で、小林少将と記憶する人がこの工場開設の責任者として来釧し、ことにあたったものと記憶している。その小林元少将が、湖陵高で英語教育にあたったかどうかという点は、承知していない。
湖陵高の記念誌に、当時の教職員の在籍がこまかく記載されているものがあるので、当該書を調べてみると、判明するものかとおもう。
時代が昭和22年、23年ごろのこととなると、私=昭和3年生まれは、19歳のころ。当時の室蘭高等工業専門学校に進学しているので、実家を離れている時になるかと、思う。

米内大将の縁で、釧路にきていた海軍将校となると、最初に思い浮かべるのが小林元少将である。
アルギン酸工場は2年か3年で操業を停止したと記憶している。おもうに原材料がスムーズに調達できなかったことによるのではなかった、か。
※アルギン酸=褐藻などに含まれる多糖類。ソルギンという名の商品名で、マーケットに出ているものも、あるらしい。
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ほるホル丼 飯塚市
ほるホル丼 飯塚市 炭鉱社会の有力なタンパク源であったとされるホルモン。

その固くて特有の臭いを克服。女性、とりわけ若い女性をターゲットにホルモンの普及、販路拡大をうながす取り組みをNHKBSで紹介。10月17日朝。

これまでの目玉は、「ほるホル丼」。売れ行きの低迷を「ホルモン食べてフェロモンアップ」の合い言葉で、挽回をはかる。

「固くて」には圧力鍋、特有の臭いはやはりスパイス。そもそもホルモンはコラーゲンが豊富で、若い女性には「肌スベスベの妙薬」なのだそうだが。

評価の観点が楽しい。おいしさ、ネーミング、ヘルシー、ご当地性、インパクトの項目で5段階評価。色合いは緑、黒=石炭(ひじき)、梅などの色合いも工夫しているのだ、が。
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長谷川櫂著『松尾芭蕉 おくのほそ道』
著者は言う。
『おくのほそ道』は、「単なる旅の記録としてではなく、確固とした文学として書こうとした」と述べ、「虚実相半ばすることによって、芭蕉の宇宙観や人生観を反映した世界的な文学作品」、と(5p)。4章からなる。


最初は「心の世界」。
名句のひとつ「古池や蛙飛び込む水の音」。「蛙飛び込む水の音」は現実の音にして、「古池や」は、心の世界(古池)が開け、「言葉遊びの俳句」から「異次元なものが一句に同居して、(略)芭蕉の句に躍動感をもたらした」点で、画期的なものとする(14p)。

次は「時の無常」。
歌枕の地を訪ねるも、「時の無常を知る」ことに。歌枕は「現実に存在する歌枕」「歌に合わせてできた歌枕」「どこにも存在しない歌枕」(38p)があり、「想像上の名所」をどのように訪ねるかのジレンマにおちいることになる。

「不易流行」。
「不易」は「時が流れても変わらない」、「流行」は「時の流れとともに変わる」。歌枕で「時間の無常迅速を痛感」し、無常迅速(流行)と見える宇宙が実は永遠不変(不易)であること=宇宙観に気づいたという。

むすびは「かろみ」。
「かろみ」は「悲惨な世界を軽々と生きてゆくこと」(91p)「不易にたって流行を楽しみながら軽々と生きてゆくという生き方」(93p)とする。そして、その「かろみ」概念にゆきついたのは、金沢。その後、山中で「かろみ」の対となる「おもし」が浮上したのでは、とする(92p)。

芭蕉は日本文学の「巨大なダム」に位置するとする。「それより前の文学はいったん芭蕉というダムに流れ込み、その後また芭蕉から流れはじめる」(8p)、と。

(ヒドイ。楽天の欄の記載、ここであっというまに消えて復元できず)

芭蕉の俳論の形成と軌跡。まことにコンパクトに凝縮されているのいではないだろうか。(日本放送協会 2013年)。
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くんち 唐津
 くんち 唐津。唐津市の人口は12万9000人ほど。

 唐津くんちの<ヤマ>をテレビでみたが、迫力。

 義経兜、謙信兜、鯛などなど。10数体の<ヤマ>が狭い、道をゆく。

 同じ佐賀でも佐賀のまつりと唐津のまつりは、庶民の楽しみ方がちがうと、聴いていたが。

 祭事に経費。期間中は惜しみなく、汗をながす。1トン余の重さのヤマが、砂地にはまり動かなくなる。

 そこを動かす。文字通りヤマが動くのだ。祭りに汗。沿道の観客を圧する。

 祭りも仕事も真剣。官など、出るスベなしの感。
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