2013年02月の記事


森達也著「愛しの悪役レスラーたち」
森達也著「愛しの悪役レスラーたち」。2008年6月、7月の『NHK知るを楽しむ 私のこだわり人物伝』は、真山仁著「横溝正史」との組合せ。
これまで読み、接したことのない領域で紹介されている。気楽に公共交通機関のなかで、読んだ。

著者は言う。プロレスの世界は「『虚』と『実』の境」が薄い」、「『虚』と『実』が簡単」にひっくりかえり、ときには融合すると解する(75p)。
取りあげるグレート東郷、フレッド・ブラッシー、アンドレ・ザ・ジャイアントと言われても、記憶に薄い。
わずかに大木金太郎。大木しても力道山にしても、ともに出身が朝鮮半島とある。しかも「故国を隠して戦っていた」(136p)。
戦後、日本社会で出自を語らず、広めず、とりわけ大木金太郎は「二つの祖国に揺れ続け」(73p)ながらも、その「出自も伏せられた」(146p)まま、日本人の前で、旧植民地出身のレスラーが戦勝国アメリカのレスラーに向かう。そのことが観戦する日本人を「狂喜乱舞させ」、「アメリカに報復し」たことを想起する「不可思議で捩じれた構図」(143p)を現出させた、と書く。

本評をしめくくるうえで、二つのことを引用、記載しておきたい。
「この国の人は、よい意味でも悪い意味でも記憶が下手だ」「鬼畜米英や一億総玉砕などを叫んでいたのに、敗戦からすればとてもあっけなく占領軍に従属する」「誰に支配されるかではなく支配されることそれ自体を求める傾向がある」(152p)、
「(大木の生家の前には、一つの石碑がある)この地に駐留していた日本軍が兵隊の防寒服を作るため犬の供出を強いたとき、少年だった大木はやむなく可愛がっていた珍島(チンド)犬を差し出した。石碑はその供養碑だ」(156-157p)。(日本放送出版協会 2008年)。
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虚構
 テーマパーク。そこで4日ほど過ごしてみると、錯覚と現実が交錯する。

 錯覚は「夢」、「憧憬」とでもいうべきものであり、現実は「トマドイ」というのが正確であろうか。

 「夢」、「憧憬」は、自国に居ながらにして渡海したかの感覚である。キャラクターも、風景も、マチ並みに記載の外国語も、スケールの大きい遊具、派手なアトラクション。

 「トマドイ」は、ファーストフードの貧相なメニュー。(書きかけ中)
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食材
 食材。いただきもののミスタードーナツ。「ミスド」ともいわれるらしい、が。

 朝のメニュー。
 自家製、低脂肪牛乳に発酵菌=ケヒア添付のヨーグルト。キナコ・青汁・粉末化したゴマ入り。
 野菜 ホーレン草のお浸しに漬物大根
 豚汁 馬鈴薯・豆腐・コンニャク・ニンジン・玉ねぎ・長ネギ
 ミスタードーナツ 二種を半分ずつ。

 いただきものゆえ、昨夜も似たようなメニュー。体重増加が指摘されていたが。生野菜が不足、か。
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猛禽類 厚岸隧道付近
 猛禽類 厚岸隧道付近。タカではないよね、オジロワシと見たが。梢にツガイか、二羽。本を読んでいて、たまたま目が窓外へ。

 確かに居た、か。目を疑ったけれども。茶色の黄色いくちばし。列車はほどなく通過したが。

 あの山中にも縄張りをもっているのか。エゾシカの増加、死骸にむれる?。
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ブランド化 佐藤繊維
 ブランド化 佐藤繊維。山形県寒河江市で、糸作家と称される佐藤正樹氏の紹介。

 「リーダー論」「組織論」「人材育成論」を紹介する「仕事学のすすめ」で、番組をながめていた。

 「明治から続く4代目」とストーリーをつくり、ニューヨークに乗り込んだ。毛織衣類メーカーに毛糸を降ろしていた父の代からの経営を、下請けから世界で通用するブランド、人によっては「ハイブランド」自社製品に仕立て上げた。

 ITネット記事によれば、「「自分たちにしか作れない新たな糸」の開発」、「「究極の羊毛」を発掘」、「高品質でオリジナリティあふれる糸を150種類以上開発」したとする。

 途中で、「その戦略なら取引をやめる」。メーカーは申してきたそうで。下請けから自社ブランド成立の理念と壁を紹介する。
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唐物 権力ピラミッド体制の可視化
 唐物 権力ピラミッド体制の可視化。唐物、当時の外国貿易による輸入品。

 NHKETVの「さかのぼり日本史」。輸入品に対しては権力の優先的買付、政治的独占があったと、する。
 唐物の代表=屏風、香、猫。青磁や白磁を含む陶磁器、本絹ばかりでなく『文選』とよばれる教養書はセンチ四方に画数の多い漢字がふんだんに使用され、白磁などの美術品に相当と考えられたということ。

外交は政治権力の体現ながら、外交が貿易に転じていく局面があるのだとする。異国品、異国文化への憧憬が欲求にかわり、貿易が外交権の延長線上にあって、権力は秀逸な品を家臣に付与することで権威の象徴に位置づけたとのいうこと。

 権威の恩寵。そこのところを、「権力ピラミッド体制の可視化」と申すらしい。
 ところで、話は天皇の権力だけではない。話は藤原道長の後宮対策を通じた、権力への参入。

 一条天皇に定子。定子の背後には清少納言。『枕草子』には唐物の記載があるのだ、そうだ。
 道長は考える。家人、商人、中国の役人を通じ、唐物を優先入手、あるいは先手掌握。

 辞典や詩文、文選の類をそこは彰子のもとへ。天皇がちかづき、関心を示して、皇子誕生。
 (式部を通じた『源氏物語』も道長にスポンサー説があるが)。

 道長の娘が一条天皇と結びつき、道長自体が権力の中枢に登りつめる。敦成(あつしな?)皇子の後継で見事に達成されるるという話。
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鰤大根 松竹梅白壁蔵
 鰤大根 松竹梅白壁蔵。日曜日の昼前後は食資材の買い揃えに外出することが多い。

 昨日は最高気温が零度を超えぬ真冬日の予報。くわえて懸案のプリンターのインクを追加する必要があり、車で電気店にゆく用件。
 歩くことをしなかった。

 食品売り場で「(養殖)鰤のアラ」をみつけて、大根と合わせ煮してもらうことに。

 夕食にだされたが、それを肴に近所の酒店でもとめた「松竹梅 白壁蔵」。
 休日、早めにたっぷり就寝。水曜日の訪問を連絡すること失念してしまった。
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下の句 板かるた
下の句 板かるた。北海道の近代において開始の生活習慣である。

その起源はどこに。しばしば問題になる点である。NHK大河ドラマ「八重の桜」の一場面。

文久3年正月の行事に、板かるたの場面が紹介され、読み手は下の句を読み、取り手は下の句札を探す展開。

場所は会津若松の鶴ヶ城城下の家臣邸ということか。

札は百枚が無造作に並べられ、「乙女の姿ーー」と読み、取り手の女性が「『乙女のーー』札が取れたわー」と大喜び。

百人一首の変形形態。ドラマをみるかぎり、起源は会津若松と言うことになるので、あるが。
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釧路西港
 釧路西港。空港に着陸する航空機が海側から滑走路にはいるとき、右側の窓から眺めることができる。

 年間1500万㌧の貨物を取り扱う港湾。バルク(穀物・飼料・石炭などバラ積み貨物)の集中的取扱い港としての整備をめざしている、が。



 かつては搬出貨物が圧倒的に多かったけれども、今日では搬入貨物がはるかに多い。

 タンク群が見え、石油類の受け入れ港湾である点を示す。
 エネルギー、食糧・飼料・輸送機器と言う名の自動車。石炭、木材・豆類、馬にかわって、貨物の主力は陸揚げの搬入貨物に転じている。



 搬出港から搬入港の転機。1970年にあったというべきか。
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水 西条
 水 西条。西条は広島県東広島市西条ということらしい。訪問したことは、ないが。

 ここは名水、銘酒、そして酒粕が農業高校で実験飼育の餌となっている。もっとも食べ始めの頃は、不思議と食後に眠るそうだが。

 龍王山から流れだす水が30年かけて、酒蔵のあつまる地域に流れ込むと言う。この間、距離にして3キロほど。

 山二降った軟水は途中で、ミネラルやマグネシュウム、カルシュウムがくわわって軟水に近い中硬水に転ずると言う。

 山で森林の整備をおこなうことを通例とする酒蔵関係者。名水は自然だけでなく、森をまもることから始まると、伝えていたが。
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蒸し大根 干し大根
 蒸し大根 干し大根。どちらも乾燥品。九州・鹿児島の食材。

 干し大根は、生の大根を乾燥させる。蒸し大根は、大根を蒸してのち乾燥させる。手間がひとつくわわるだけ、旨さが格別に違うと胸をはる。

 別な番組で、大分県の干しシイタケ。ホダ木栽培。林間の湿度のある自然痛通風のもとで栽培。ホダ木の天地をいれかえたり、雨露にシイタケががあたらぬように気をくばる。

 発芽して収穫するまでの2週間。木の頭をたたいて刺激するとシイタケの成長度が違うと言う。

 手数、ハウス栽培、菌床(きんしょう)栽培。手をかけず、作業量も格段に違う栽培方法もないではない。しかし、ホダ木栽培にこだわる理由はなにか。

 干した製品の出来上がりが、違う。黄金色ともいうべき乾燥の仕上がり。味もことなる、か。形は似ていても、仕上がりまでの過程。その差は微妙でも、しかし「ウマサ」を知る人の口をゴマカセヌ、「大きな違い」ということかも。
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幣舞 ぬさまい
 幣舞 ぬさまい 「幣舞」と書いて「ぬさまいと」と読む。



 御幣が舞うと書くと、意味は通ずるかも。橋にその名、町名に記録。丘に幣舞公園。



 ここは6本の道路が分岐するため、信号機のかわりにロータリーが設けられている。
 ロータリーは「循環式交差点」と語訳される、とか。



 2階建の瀟洒な建物は、日本銀行釧路支店。



幣舞に「紙幣が舞う」との意味をこめて、紙幣の回転は「たいへんふさわしい」と、うけとめているのだと、聞かされた。
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切り替え オン・オフ
 切り替え オン・オフ。
 仕事、学習、子育て。それぞれに、オンとオフの切り替えがあるのかも。

 4日間。異次元のなかに身を置いた。
 一言でいえば首都圏のなかにあるアメリカというなの虚構の枠組みの中に。

 11人が仕事、学習、ふだんの生活のつながりを離れて、「さて、今日はどうしよう」、「次はどのプログラムに参加する」。
 綿密にネットとガイドブックで4日の日程を組んできた班もあって、精力的に活動。

 いつもは保育所生活のお子たちも、いつもと違って甘え放題。「抱っこ」「大好き」。お口も上手。

 かくて、疲労を残して火曜日からは仕事。媒介はなんであれ、日常とは違ったことに没頭。普段はバラバラがまとまって行動も悪くはないか。
 仕事、学習で家族もバラバラでは、力もわくまい、と。
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非日常
 非日常。2月8日に出発、3泊4日で首都圏に。

 今回は自分たちの気分転換よりも家族の異次元体験。「田舎の勉強よりも、都の昼寝」の範疇。

 待ち時間40分。長い行列がホールに吸い込まれて3D画像。その斬新さに納得しながらも、わずか10分の間に何度かの睡魔。
 「都の昼寝」とは、よく申した。

 順番待ちの間にアメリカの本格的な墓碑。本物の墓碑らしいが、どこにあったものを、はこびこんだものか。
 部屋に案内されて、天井が持ちあがったミステリーも「錯覚」のなせるワザかも。
 そのうえで、999人の亡霊につぐ1000人目に招かれることになるのだ、が。

 9歳、8歳、7歳、6歳、3歳。個性的な幼児のふるまい。いろいろ、聞かされ、考えさせられた4日間。

 朝夕、給餌をすること欠いた金魚。幸いにして健在。藻をたべていた。か。
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小田野直武 秋田蘭画
 小田野直武という人、秋田蘭画の確立者。

 平賀源内との出会いと推挙、杉田玄白・前野良沢とともに『解体新書』の解剖図を担当。陰影法と遠近法を駆使する西洋画の銅版画的受容によって、精密な解剖図を描きあげた。

 藩主のなかにも陰影法と遠近法を駆使する雅号を曙山とする絵師を輩出しており、ともに秋田蘭画の成立に与したとする。

 解剖学者は原著にある精密画を、多くの文献や挿入画に目を通しつつ、日本的に翻訳したのではと、解説する。

 「絶学源信信士」。絶学は、学問を中途で絶ったとする意味なのか、それとも「絶景」に示された「なみ優れた学問」たるの意味か。なぞを残して安永8年、32歳でこの世を去る。

 下級藩士の家に生まれ、江戸に派遣されて画に没頭。家内の反発が高まっていたものか。謎が多いとされる。
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震度5強 2月2日
 昨夜、当地方で震度5強の地震がありました。
 
 影響はといえば、集合住宅の宅配のところで耐震装置がはたらき、暖房も炊事も不能となりましたが、自分の手で復旧しました。

 北海道東部の内陸に震央があったようで、マグニチュード6ほどの地震エネルギーと報じられています。

 ブログのお仲間からお見舞いのメッセージを頂戴しましたし、朝になって拙宅に安否確認の電話もいただきました。「無事です」。

 仕事をしていました。家人は寝た直後でしたが、ベランダのドアをあけ、落下物の確認、気がつくと暖房が消えていました。

 2003年9月26日以来の強い地震です。内陸に震源地があったもので、まもなく「津波なし」と報じられました。

 今朝の電話では空知など北海道中央部でも震度4ということですから、北海道の大半にそれなりの揺れということになります。

 さっそく、お見舞いにお礼を申し上げます。元気で、かわらずに過ごしていますよ。これからも、気にかけてください。ありがとうございました。

 
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反日デモ 進出企業破産
 反日デモ 進出企業破産。そうしたことが、次第に表面化する、か。

 IT記事に、「中国での反日デモで、工場が放火されるなどの被害を受けた自動車部品メーカーが(略)、破産を申請したことがわかった」、と。

 ときどき、今は昭和のはじめのどのタイミングで推移しているのかと、思う時がある。
 リーマンショックは昭和2年なのか、昭和4年なのか、とか。

 かつて、対中国との間での貿易取引は、一時は圧倒的にUSAを対象とするものにかわっていた。しかし、貿易統計をみながら自分で確かめたわけではないが、すでに対中国取引は対USAを超えていると、される。

 資源、土地、労働力のコストの魅力に、大きなマーケット。中国の魅力とされて邦人企業が進出したが。「反省が足りないので、こらしめることにしました」。我が国の政権は、次第にそう考え、国民は「これぞ力強い政治」と、考える人が多いのであろうか。
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靄 如月
 靄 如月

 2013年2月 如月の初日は朝から靄。



 道路に雪、ところどころ舗装が顔をのぞかせ、包むように靄。

 2月の冷え込みを他所目に、一帯は靄。太陽が顔をのぞかせている。



 往時なら3月の装い。春はそこまでということながら。
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