「フランスの大統領選、ギリシャの総選挙」
 負債が多くてやり繰りが苦しい時、日々の生活を見直し、出費を抑えることを考えないと抜本的な解決は遠のくばかりです。

 一方、負債を減らすことを後回しにして、借金を重ね今までどおりの生活を送ることを良しとし、いずれ景気が持ち直せば収入も増え、その時に負債を減らそうと考える、つまり家計再建を後回しにする考え方もあります。

 もしこれが他家のことで、相談されたら、生活を見直し出費を抑えるようアドバイスする人は多いかと思われます。
しかし、これが自分の国の話になると、前者の緊縮財政を伴う財政再建策は不人気の政策で、後者の大盤振る舞い・抜本的解決策後回しの政策が支持されることになりがちです。

 昨日行われたフランスの大統領選挙とギリシャの総選挙の結果は、つまりはそういうことです。

 フランス大統領選挙では、緊縮財政で危機を乗り越えようとしたサルコジ氏に対し、オランド氏は積極的な財政出動を打ち出して国民の支持を獲得しました。
危機回避でドイツと今まで合意してきたことの見直しを迫られる可能性がありますが、選挙演説とは違う現実路線への政策修正も期待されています。

 欧州危機の震源地となったギリシャでは二大政党が大連立を組み、緊縮財政による財政再建を目指していましたが、今回の総選挙で連立与党の二大政党が合計議席数を大幅に減らしました。
一方、緊縮財政が景気悪化を招いたとして批判し、国の借金の返済拒否を唱えた急進左派連合が第2党に躍進したことで、
ギリシャの政権運営の不透明感が増しているようです。