「桜の開花」
 立春から春分までの間に初めて吹く南よりの強い風を「春一番」と言いますが、寒気の影響で関東地方では昨日の春分の日までに南よりの強い風が吹かず、12年ぶりに「春一番」が観測されませんでした。

 また、今日は全国で最も早く高知市で桜の開花が発表されてました。高知市での桜の開花は、平年よりも1日早いとのことです。
ただ、東日本では長く居座った寒気の影響もみられます。
民間気象会社3社は、東京都心(靖国神社)のソメイヨシノの開花を、平年よりも4~5日遅い3月末を予想していますが、24年ぶりに4月にずれ込むこともありそうです。

 一方、アメリカの首都ワシントンのポトマック河畔にある3700本あまりの桜は、平年よりも2週間ほど早く見頃を向かえているそうです。

 ちなみに、1909年にアメリカに寄贈された約1千本の桜は、ワシントンに渡るも害虫の被害がひどくすべて焼却されました。当時の米国務省は「こういうことがないようにしっかりした体制ができるまで、再度このようなことをしないように日本側に働きかけよ」と駐日米国大使館に訓令を発したそうです。

 ところが日本側は、ただちに再送のための体制の再構築と、丈夫な桜の苗木の再開発に着手します。当時の関係者は「もし、1回であきらめてしまえば、日本は、ヘンな贈り物をしようとしてうまくいかなかったということだけが残ってしまう」ことを危惧したと言われます。

 3年後の1912年(明治45年)、細心の注意と高い園芸技術をもって育てられた約3千本の桜の苗木は、ワシントンに無事到着し植樹式が行われました。その時から今年はちょうど100年。明治人が夢見た友好の花は、100年後の今もポトマック河畔の公園で、訪れる人の目を毎年楽しませています。

 尚、20日から始まった毎年恒例の全米桜祭りは、今年は期間を4月末まで延長して様々な日本関連の催しが行われるようです。