篤信の真宗家庭育ち、25歳法華五経帰依 自然と人類の線引き‐5-
 篤信の真宗家庭育ち、25歳法華五経帰依 自然と人類の線引き‐5-

 賢治は真宗学者・島地大等著『漢和対照妙法蓮華経』の解説を読んだこと。
 大等の「大乗起信論」講義で法華経に開眼すうるも、その理解には二人の間に相違がある(田村公子著「島地大等が宮沢賢治に与えた影響」 『琉球大学リポジトリ―』)。
 親鸞は現世を地獄ととらえ、日蓮はこの世を浄土にしようと南無妙法蓮華経を唱えながら現世を改革。

 父・宮沢正次郎は手継ぎの真宗大谷派寺院の総代を務める。
 当代の一流真宗学者の講座に出席する篤信の人で、清沢満之、暁烏敏、島地大等らの名がある。
 賢治も幼いときから『正信偈』『和讃』『白骨の章』を読む日々であった、と。

 幼い日から強く影響を受けて来た家庭の宗教教育。
 長ずるに当面した学校教育を通じた科学教育。自身、
 科学者として生きる身に、影を残すことになったか、幼き日からの宗教教育。

 日蓮宗妙本山釧路道場が懇念かけて建設の釧路仏舎利塔に敬意を表することに。
 西洋思想のなかで慣れ親しむ市民が、東洋思想のメッカを訪ねる。
 そこを「自然と人類の線引き」で、端的に問うことになるも、宮沢賢治にとって、わ。 
 宮沢にとっては「自然と人類の線引き」に先立ち、「宗教と科学の線引き」があったのかも。