チャンスを無にする
昔聞いた小話をひとつご紹介したいと思います。

 大洪水がおこり、水没しかかった家の屋根に登って避難していた人がいました。
信心深い彼は「神様が奇跡を起こしてきっと助けてくれるはずだ」と信じています。

 ちょうどその時、救命ボートがやってきて「早くこのボートに乗りなさい」と声をかけてくれましたが、「神様が助けてくれるから大丈夫」と言って乗るのを断りました。

 そのうち屋根も水没しそうになり、またボートが救助にやってきました。
この時もさっきと同じように神様が助けにきてくれると言ってボートには乗らなかったため彼は死んでしまいます。

 天国に行った彼は神様に文句を言いました。「神様、今まであなたを信じて祈ってきたのにどうして助けに来てくれなかったですか?」と。

 それを聞いて神様はおっしゃいました。「だからおまえのために2度もボートを差し向けたではないか!」

 
 昔のことわざに「運はたびたび門をたたくが、愚者はこれを招じ入れぬ」とありますが、チャンスが無かったわけでなく、それを拒否して無にしてしまったというお話です。