「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」
 今度の日曜日は秋分の日で、秋の彼岸のお中日です。
昼と夜の長さが等しく、日がほぼ真西に沈む秋分の日(春分の日)は、西方にある極楽浄土(彼岸)に一番近い日とされ、この時期に先祖を供養するのが慣わしでした。

 燃えるような花色の彼岸花は、秋の彼岸の頃に咲く花ゆえにこの名がついたといわれます。
国や地域によって花に対する感じ方も様々で、彼岸花にもいくつかの異名があります。

 根に毒を持つのですが、飢饉の時は澱粉が豊富な根を食用にすることもあったそうです。
毒抜きが十分でないと、あたることもしばしばで、彼岸(死)の花という説もあり、その毒性と相まって、葉のない状態で地上に突出し神秘的な花を咲かせる様から「地獄花」「死人花(しびとばな)」などと呼ばれることがあります。

 日本に存在する彼岸花の遺伝子は全て同一で、中国から伝わった1株の球根から日本全国に広まったものと言われます。
彼岸花は「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」の名でも親しまれていますが、これはサンスクリット語の音写で「天上界に咲く小さな赤い花」という意味で、吉事の兆しに赤い花(曼珠沙華)が天から降りてくると仏教の経典にはあるそうです。

 葉のあるときには花はなく、花のときには葉がない曼珠沙華を、おとなり韓国では「花は葉を思い、葉は花を思う」という意で「相思華」と呼ぶそうです。

 ちなみに、その花の美しさから海の女神を意味する「リコリス」という学名を持ってます。