「精根尽きる」
寒暖計の指し示す気温はそれほど低くはないのですが、暑さに慣れた身体には少し肌寒さを感じます。

 暑かった夏が終わり、これから徐々に気温も下がっていくはずですが、このような季節の変わり目は体調を崩す人が増えて来ます。
夏の疲れが溜まっている今の時期はとくにそうかもしれません。

 心身の力や根気がなくなってしまうことを「精根尽きる」と言いますが、疲れが溜まると集中力がなくなり、気力も失せていまします。
そのような時、昔の人はきまって言ったものです。「コン」のつくものを食えと。

 「コン」のつくものとは、ダイコン、レンコン、ゴンボウ(ゴボウ)などで、食物繊維が多く含まれている根菜類です。
広く知られているように、食物繊維には体内を浄化する作用があり、かむ回数が増えることで血行も良くなり、脳や身体の代謝も促し、自ずと疲れもとれてきます。
また、食物繊維には腸内環境を整え改善する作用もあるため、大腸がんなどの疾患のリスクを軽減することも知られています。

 コンニャクも食物繊維が豊富で、昔から「おなかの砂おろし」あるいは「胃のほうき」などと言われてきました。体内を浄化する効用は昔の人も経験として知っていたわけです。

 疲れや気力がなくなってきたのを感じましたら、バランスの良い食事とともに、心身をリラックスさせることが大切です。さらにこうした「コン」のつくもので体調を整え、根気を補充してみてはいかがでしょうか。