「チューリップ」
 春に幕開きがあるとすれば、暦や節句ではなく、暖かな南風「春一番」かもしれませんね。

 冬が頑張っている今年は春一番が吹くのが遅いようですが、各地で4月の並みの陽気となった昨日は、全国最初の春一番が北陸で観測されました。昨年よりも1カ月ほど遅い報せです。

 今日は九州南部や奄美地方でも春一番が吹いたそうですが、全国的には雨風が強く春の嵐の様相です。

 処で、春を彩る花といえばチューリップもその一つですが、オランダを扱ったテーマパーク、長崎県佐世保市のハウステンボスでは恒例の「チューリップ祭」が4月6日までの日程で開催されています。

 心優しいひとり暮らしのおばさんに女神が手渡した球根はやがて花を咲かせ、その中には小さな女の子が座っていました・・・アンデルセンの童話「おやゆび姫」で女の子を包んでいた花がチュウリップであり、昭和初期の俳人、松本たかしは「チューリップの花には侏儒(コビト)が棲むと思ふ」と詠んだそうです。

 このようなメルヘンチックな花ですが、昔投機の対象となり、人々の心を惑わしていたことは、それもまた童話の世界の出来事のような感じがします。

 1630年代のオランダでは、チューリップの小さな球根が、平均的な労働者の賃金の10年分の値段で取引され(現在価値に換算すれば5000万円以上)、借金をしたり家屋敷を売って球根を買い求める人が相次ぎました。
これが世に言う「チューリップ・バブル」で、最終的には多くの人が破たんしたそうです。

 そんなチューリップの昔話は、人間の価値判断の不確かさ、付和雷同の怖さ
を今に伝える教訓ともなっています。

編集 mimi : こちらにもオランダ風のチューリップ畑があります~~似てますね(^^)