「桜・染井吉野」
 明日は春の彼岸入りです。彼岸の中日の春分の日(3月21日)を境に昼が少しずつ長くなり、陰陽の気も入れ替わるとされています。
また、ほぼ真東から日が上り、ほぼ真西に日が沈む春分は、古代中国では「龍天に昇る」とされ、春の気もいよいよ盛んになってゆきます。

 春の気が盛んになれば桜の開花ももうすぐです。気温の推移にもよりますが早ければ高知で一両日中に開花し、今週末には佐賀県あたりでも咲き始める予想となっています。

 ちなみに、花色が濃く大型のカワヅザクラ(河津桜)は、関東地方でもすでに見頃を迎えているそうですが、気象庁などが開花状況を観察しているのはシメイヨシノ(染井吉野)です。

 ソメイヨシノは人口交配によって誕生した品種で、種子では増えず、全国にあるソメイヨシノはすべて人の手によって接木(つぎき)などで増やしたものだそうです。

 つまり純粋なソメイヨシノは皆すべて遺伝子情報を同じくするクローン植物であり、すべての株が同一の特性を持つため、条件が同じであれば一斉に咲き一斉に花を散らします。
明治以降、若木から花を咲かせるソメイヨシノの植樹が盛んに行われ、最も一般的な桜となっています。

 尚、古来より桜の名所として名高い吉野山(奈良県)の桜は主にヤマザクラで、約3万本の桜が山全体を埋め尽くす景観は、一目に千本見える豪華さという意味で「一目千本」と言われています。