「椿(ツバキ)」②
 今日は二十四節気の「雨水(うすい)」。
寒さは厳しく、景色はまだ冬ざれの中ですが、暦の上では氷が融けて水になり、空から降るものが雪から雨に変わる頃です。

 ところで、魚偏に秋と書いて鰍(カジカ)、冬は鮗(コノシロ、幼魚はコハダ)、春は鰆(サワラ)、残念ながら魚偏に夏という字はありませんが、しいてあげればハモ(鱧)やアワビ(鰒・鮑)あたりが相応しいように思います。

 一方、木偏には四季がそろいます。榎(エノキ)、楸(キササギ)、柊(ヒイラギ)、そして椿(ツバキ、英名カメリア)です。

 落花の際、花全体がぽとりと落ちる様子が忌まれたりしますが、冬の間も艶のある葉を持ち、寒風の中で花を咲かせる姿に霊力を感じ昔から親しまれてきた花です。

 京都の地蔵院(別名椿寺)には、加藤清正が朝鮮から持ち帰り、椿好きの秀吉に献上したとされる「五色八重散椿(二世)」が遺り、京都には他にも利休や織田有楽斉など所縁の名椿の古木が数多く現存してるそうです。

 「椿の里」をPRする岩手三陸の大船渡市でも、恒例の椿まつりが始まったそうです。
震災の影響で例年よりも1カ月遅れの開催ですが、全国から椿の寄付が相次いだことで種類は13カ国600種、数は700本に増大したそうです。