「仲秋」
 明日から八月。旧暦では八月はすでに秋です。(陰暦・旧歴の8月15日は仲秋の名月)

「仲秋」は旧暦八月の別名で、「葉月」という呼び名も「葉落ち月」からきています。
他にも異称がたくさんありますが、草花が盛んな時期という意味の「壮月(そうげつ)」という呼び名が活力が満ちている感じがして一番好きです。

 ところで、月の満ち欠けを基準にした太陰暦(旧暦)では、新月から新たな月が始まり、満月が月の中旬となります。満月のことを望(ぼう)と言い、新月を朔(さく)と呼ぶことから、月の始まりは朔日(さくじつ)と呼び、朔日と書いて「ついたち」とも読ませます。

 八月朔日は特に「八朔(はっさく)」と言い、今でも伝統を残す地域もありますが、昔は旧暦のこの日に各地でその年の五穀豊穣を祈願する行事や神事が行われていたようです。

 ちなみに江戸の頃は、徳川家康の江戸入城が八朔であったことから、この日を節日として重んじ公式の祝日とされていました。
また、果物の「はっさく(八朔)」は、旧暦の八朔の頃に出回ることからこの名が付いたそうですが、実際の旬は寒い時期です。