「桜開く」
 東京都千代田区にある靖国神社のソメイヨシノの標本木が開花し、気象庁が東京での桜の開花を告げました。
開花日は平年と同じですが、昨年より6日遅い春の訪れです。

 ところで、中国の四季は青帝、炎帝、白帝、黒帝という男性の神々がそれぞれ司っていますが、日本の四季は女神が司ります。

 平城京の東、佐保山に住む佐保姫が春を司り、野山を花で埋め尽くします。
温んだ水や地面から湧き立つ水蒸気で、薄い帯のように棚引く春霞は「佐保姫の裳裾(もすそ)」。

 白く柔らかな春霞の衣をまとう佐保姫の、裾がふれた場所から花開く・・・。


 今回の巨大地震で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の各気象台でも桜の観測が通常通り続けられており、開花が確認されれば発表する予定だそうです。

 4月が近いというのに日中の最低気温が氷点下になる被災地には、水が温み花が咲く春の訪れが待たれますね。