「桜の季節②」
 桜のまぶしい季節となりました。

『ひさかたの 光りのどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ』

『花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに』


 ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、上記は百人一首の中で桜を歌ったものの一部です。
百人一首では桜を歌ったものは6つ程ですが、万葉集に詠まれた桜の歌は40首、対する梅の歌は118首あるそうです。

 奈良時代には、花と云えば梅を指し、平安時代になって花と云えば桜を指すようになったと云います。
奈良時代に中国の思想をもとに造営された平城京、そしてそれを受け継ぐ平安京、その平安京では御所の紫宸殿(ししんでん)前にあるのは当初「左近の梅」でしたが、菅原道真の進言によって桜に代わったと云います。

 ところが、奈良時代より以前の神話の時代の話では、これまた花と云えば桜だったようです。
但し、今の「ソメイヨシノ」ではなく、「ヤマザクラ」、「オオヤマザクラ」、「オオシマザクラ」と云った種類の桜です。

 ちなみに、今のソメイヨシノは東京都豊島区の「染井」と云う地で江戸時代後期にウバヒガンとオオシマザクラの交配種として誕生したそうです。
値段が安く、成長が早いので一気に日本全国に広がったそうです。