「一期一会」
  たった漢字4文字で、森羅万象を表す四字熟語。
座右の銘にしたい四字熟語には人との絆、努力、真心、平穏な生活を求める傾向が出ていると、朝日新聞土曜版「b eランキング」に有りましたが、一位は「一期一会」。二位が「七転八起」。三位が「温故知新」。四位は「一所懸命」(命をかけて一心に努める事。中世の武士が賜った一ヵ所の領地を命をかけて守ったことことから。一生懸命はそれが転じた。)


誰もが日常生活で初対面の人と話す機会があると思いますが、第一印象が肝心であるのは言う迄もない事でしょうね。
第一印象とは、単に見栄えだけではなく、その人の所作そのものです。

 お互いの生活や仕事上で関わりがなく相手との偶然の出逢いの場合、こちらの印象や振る舞いなどどうでもいいと考える人がいるかもしれませんが、そういう考えはそうではない場合に見え透いてくるものです。

 英語では「一度与えた第一印象をやり直すチャンスは二度と訪れない」と言いますが、和語では「一期一会」です。

 You never get a second chance

 to make a first impression.


 一期一会とは、もしかしたら二度とは会えないかもしれないという覚悟で人に接しなさいという心得であり、その方法として武道や芸道には「残心」というのがあります。

 武道においては、勝負が決した後も、相手を意識しながら反撃を瞬時に返すことができるよう身構えている精神の事を言い、試合において残心がないと勝敗が無効とされることもあります。
例えば剣道の試合では一本取った事を喜び、ガッツポーズなどすれば、奢り高ぶっていて「残心」が無いとみなされ、一本を取り消される場合もあるそうです。

 「残心」とは最後まで心を残すこと。心を途切れないさせないことであり、それは相互扶助であるという認識を忘れずに心の緊張を持続させること、相手を尊重する思いやりの心でもあります。

 普段の生活においては、だらしなくない事や気を抜かない事、卑怯でない事であり、決して驕らず高ぶらず、最後まで「きちっと」する事です。

 一期一会の気持ちで「残心」を持って人に接すれば、価値ある人との出会いがあり、一期一会(生涯にただ一度の交わり)ではなくなり、自分の人生も豊かなる、改めてそう思う今日この頃です。