「桜の季節到来」
    「思い出す、様々のことさくらかな」 芭蕉

 桜の季節到来。
「満開の桜並木に新入生の晴れ姿」という光景がふと瞼を閉じると想い浮かびますが、やはり日本人の文化と心に宿す花といえば桜かもしれませんね。
「春のうららの・・・」で始まるメロディーを聞きますと、誰しも幼き日の思い出が蘇り、日頃の邪心は束の間消え失せるのではないでしょうか。

 この季節は、別れと出会いの人生の岐路に立ち、多くの涙を流し、多くの出会いに感動します。
いにしえより貴賎貧富の差はなく、等しく公平に美の喜びを与え続け、それぞれの思い出と重なり合うという人も多いかと思います。

 また、桜に感じる魅力を「一斉に咲き、一斉に散るところにある」と言う人もいます。
「同期の桜」の連帯感とハラハラと散る切なさ、一晩の嵐に散る「散り際の良さ」が日本人の心情にたまらないのかもしれません。