「独活(ウド)の大木」


 「独活」と書いて「ウド」。風もないのに独りで動くという意味ですが、春の味覚「ウド」が旬を迎えています。

  ことわざに「ウドの大木、柱にならぬ」というものがありますが、ウドも幼時は山菜として重用されるが、成長しきって大木のようになってしまうと、もう食用にはならないし、かといって材木のように堅くもないので柱にもならないということです。
つまり、大人の役立たずをなじったもので、ぶくぶくと大きいだけで無能なものの例えとして「ウドの煮え太り」というのもあります。ウドにとっては大きな迷惑ですね。

 よく育つと3m前後にもなり茎も太いです。「ウド」は木ではありません。
芽吹いて、小さな(夏)頃までには若葉や蕾が山菜として採取できます。

全国各地に自生する大型の多年草で、生えているところに近づくと特有の香りがします。

 谷川の崖などで、春になって雪が崩れ落ち土が現れると、そこに真っ先にみずみずしい若芽を出すのがウドです。
根元のほうはガッシリしていてたくましく白いですが、土から出たところは鮮やかな濃い緑色をしています。
春を代表する山菜であるうどは、古くから栽培されていて、八百屋などでもおなじみですね。
柔らかい穂先は、秋口まで採取利用できます。

 スーパーなどでよく売られている裁培物のうどはくせが少ないですが、山うどはそのくせがかなり強いものです。
うどが苦手の人にはお薦めできませんが、うど好きには、「これが本当のうど!」という感じで、天然物しか許せないでしょう。