「ロビンソン・クルーソー物語」
南米チリ沿岸沖で発生した地震のマグニチュード(M)は8.8と報道されています。
これは1900年以降に世界で発生した地震の中で、1960年のチリ地震(M9.5)、1964年のアラスカ地震(M9.2)、2004年のスマトラ島沖地震(M9.1)、1952年のカムチャツカ半島沖地震(M9.0)に次いで5番目の大きさです。

  ところで、チリ沖には小さな島があり、今から300年前にそこに取り残された船員が自給自足で生存し、4年4カ月後に助け出されたという実話があります。
この実話を題材に書かれた小説は、幕末の頃には邦訳され日本でも多くの読者に親しまれてきました。
後にこの島は、小説の主人公の名をとり「ロビンソン・クルーソー島(チリ領)」と改名されてるそうです。

 ロビンソン・クルーソーの物語は、無人島に流れ着いた主人公が独力で生活してゆく冒険物語で、ロビンソン・クルーソーにとっての唯一の財産といえばいくつかの種しかありませんでした。

 彼はまずどのようにその財産を増やすか考えるわけですが、はじめに蒔いた三分の二の種は天候が合わず全滅。次は種まきの時期を研究し、残した種の中からさらに一部を蒔くなど努力と工夫を重ね、ようやく収穫に成功します。

 ロビンソン・クルーソーは、こういった経験から、種を蒔く時期や栽培の方法などを学んでいきます。

 ロビンソン・クルーソーの物語は彼の孤島生活を綴った日記を紹介するという形式をとっています。
主人公は、誰にも頼ることのできない状況下で、サバイバルの全記録を残しつつ、なおかつそのデータを次ぎの行動に活かすことで、最終的な目標である生還につなげていくといった内容です。

 この物語は経済学の視点からも注目を集め、カール・マルクスやマックス・ウェーバーなどの大家も自著でロビンソンを引き合いに出しています。