「禍福は表裏一体」
昨日 「建国記念の日」は神話上の初代天皇、神武天皇が即位した日を記念した祝日となっていますが、この逸話が記された古事記には次のような話も記されています。

 アマテラスの孫にあたるニニギノミコト(神武天皇の曾祖父)が、アマテラスの命で地上に下り(天孫降臨)、笠沙の岬で出逢ったコノハナサクヤヒメ(富士山及び全国の浅間神社の祭神)に求婚します。
コノハナサクヤヒメの父は喜び、姉のイワナガヒメと一緒に娘二人をニニギに差し出しますが、ニニギは醜いイワナガヒメを送り返してしまいます。

 コノハナノサクヤヒメには天孫が花のように繁栄するようにとの願い、イワナガヒメには天孫が岩のように永遠のものとなるようにとの配慮があったのですが、イワナガヒメを送り返してしまったことにより天の御子の寿命は神々ほど長くない、ということになっています。

 また、ヒンドゥー教の影響を受けた仏教にも次のような話があるそうです。

 昔々、ある商家に美女が訪れました。その美女は福を招く吉祥天であり、それに気付いた商家の主人は吉祥天を招き入れると、後ろにいた醜女も家の中に入ろうとしました。
その女性が災厄を招く黒闇天と知ると、商家の主人は黒闇天を追い出してしまいます。

 すると、黒闇天は「吉祥天は私の姉で、二人はいつも一緒にいる。
私を追い払えば姉も出てゆく」と笑い、二人の女神は肩を並べて去っていったそうです。

 涅槃経に「姉を功徳天(吉祥天)と云い人に福を授け、妹を黒闇女と云い人に禍を授く。
此二人、常に同行して離れず」とありまが、禍福は表裏一体。

 禍福は己に由るものであって、同じ事柄が捉え方しだいで福にもなれば禍にもなるという意味は「ピンチの裏にははチャンスあり」と同義であります、