「ひとを動かす言葉の力」。『
 「ひとを動かす言葉の力」。『文藝春秋』3月号の特集。なかなか、面白い。

 今西錦司・下村治・大山康晴らがとりあげられるが、なかなか読ませてくれる。

 大阪の将棋会館を建てようというとき、大山は渋ちんでなる人のもとにゆき、頭をさげる。

 「カネは出さんでもよい、寄付帳の名前と金額だけ書かせて」。ありそうな話である。
 でも、大山が頼みにいったら、普通は訪問者に茶もださぬその御仁が、「麦茶」を一杯だけ用意してくれたというから、やはり「大山も人物」という話。

 ここだけは、一気に読んだ。もっとも近しいという方が語り、書く、相手のフトコロにとびかんだからこその話が秀逸。