「売り家と唐様で書く」
 「売り家と唐様で書く三代目」。幼児から鮮明に覚えているが、それは、父の言い分であった点が多い。
 そのたびに、源氏は実朝、北条家は泰時、足利家は義満、徳川は家光と復唱したものであるが。

 父には自分が2代目、子である小生が3代目。
 3代目がシッカリした家柄は、長く続くと言いたかった。それは明確である。

 「週刊江戸」を手にとってみた。秀忠の時代は「大奥」形成が話題になったくらいで、あっさりと三代目・家光の時代に突入。
 「売り家と唐様で書く三代目」の比喩(ひゆ=たとえ)が、公然と登場する。

 20歳の家光は「余は生まれながらの将軍」と、外様大名を集めて宣言したという。2代目は影がうすい。
 3代目の事蹟が、家の存続に重みをもつが、創業者の苦労とは別に、ボンボンは学歴は高いが、やること平凡の喩えとされる、や。