「金魚すくい」
各地で夏祭りが行われるこの時期、露店がそこかしこに並ぶ風情は昔も今もあまり変わりませんね。
金魚すくいをねだる子供の姿もほほえましく感じられます。

 金魚はもともと突然変異のフナを飼育・交配させ、改良を重ねて定着させた観賞魚で、光があたるとキラキラ輝いて見えるので「金魚」と称します。
日本には15世紀頃に中国から伝来し、江戸時代後半には広く庶民も愛玩するようになりました。

 ところでこの金魚、中国では「金余(お金が余る)」の発音に似ていることから縁起物として知られています。
明治の頃、日本から移入されたアメリカでは、「ゴールドフィッシュ」という縁起のよい名前と相まって、ペットとして飼育している愛好家も多いそうです。

 ちなみに、風水を非常に気にする香港ビジネス界では、風水の観点から水槽の位置やその中に入れる金魚(風水魚)の数まで決まっているそうです。

 風水では、水には「気」を引き込んで蓄積するという特性があり、「お金が余る」という縁起物の金魚を入れることで、「幸運や財を引き込む」という験担ぎとなっています。