「お伊勢参り」
 江戸時代、「伊勢に行きたい 伊勢路が見たい せめて一生に一度でも」と歌われたようにお伊勢参りは庶民の憧れでもありました。

 江戸から伊勢までは片道15~20日間の行程で、庶民にとってその旅費は相当な負担です。
旅費は一家の生活費の1年分にも相当しましたが、有志の者
でお金を出し合い、順番に伊勢神宮に参拝する「請(こう)」という仕組みがあったため、当時でも多くの人が伊勢に旅立つことができました。
それでも伊勢神宮まで参拝に行けない人は、芝大神宮(東京都港区)に参拝したそうです。

 芝大神宮は、伊勢神宮の内外両宮の主祭神(天照皇大御神と豊受大御神)を祀ることから 「関東のお伊勢様」とも尊称され由緒ある神社です。

 芝大神宮の例大祭が明日から始まるそうですが、昔は同宮の周辺が一面の生姜畑で、例大祭の時には参道や境内に生姜売りの屋台が並んだことから、例大祭は「しょうが市」とも呼ばれます。

 また、関東周辺で伊勢神宮まで行けない参拝客を一手に引き受けていたため参拝客がいつまでも途切れることなく続いたことから、「だらだら祭り」との別名もあるそうです。

 ちなみに、同宮では白と黒のオリジナルの御守り「商い守」を販売しています。
白い御守りは「白星、土つかず」、黒生地の御守りは「黒字」を表すとして営業職に人気だそうです。