「中秋の名月」
旧暦八月十五日の昨日は十五夜、今日は十六夜。
昨日の月はいわゆる「中秋の名月」です。

 満月は毎月ありますが、「月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月」と歌にあるように月見といえばこの月を指し、昔の人には花見とともに最大の楽しみ事だったそうです。

 今の時期は空気が澄み、月の光も明るく爽快。涼しさを感じる夕べに、秋草や露、虫の声などの取り合わせも良く、農作物の収穫時期とも重なり昔からこの日は特別な日だったようです。

 もちろんこうした風習は大陸から伝わったもので、中国ではこの日を「中秋節」と言って祝い、春節(旧正月)や端午節(五月五日)などと並ぶ伝統的な祭日となっています。

 ちなみに、中国の伝統的なお菓子「月餅」は、丸い形を月に見立てたお菓子で、中秋節に集まった家族や親しい友人たちとこのお菓子を食べる風習があります。
今でもこの時期になると月餅を贈り合うのが盛んで、職場等で配られたりもするそうです。

 韓国ではこの日は「秋夕」と言い、その前後も含めて公休日となります。
秋夕は、韓国のお盆とも言われる行事で、この時期は民族大移動と形容される帰省ラッシュで交通機関が大変混雑することでも知られています。