「阿吽(あうん)の呼吸」
歴史好きの女性(歴女)が増えているそうで、寺社仏閣や史跡では若い女性の姿が目立ちます。

 縁結びという実利を求めてくる人もいれば、非日常的で神聖なパワースポットを求めてやってくる人、静寂の中で自分を見つめ直すために参拝する人などその理由は様々ですが、受け入れる側でも商機ととらえ御守りや絵馬等に様々な工夫を凝らしているようです。

 処で、神社の参道などに見かける狛犬と、見た目もよく似た沖縄のシーサーはどちらもライオン(獅子)がルーツだということをご存じでしょうか?

 古代オリエントやインドでは、ライオンは権力の象徴であり守り神でした。
それが韓国経由で伝わったのが狛犬、東南アジア経由で沖縄に伝わったのがシーサーだと言われており、ちなみに中国伝来が唐獅子で、エジプトのスフィンクスやシンガポールのマーライオンもルーツは同じです。

 梵字(古代インドの文字)で、阿は口を開いて最初に出す音、吽は口を閉じて出す最後の音であるため、阿吽一対で宇宙の始まりと終わりを表わしていると言われ、一般的には狛犬・シーサーともに「阿(あ)」の形で口を開けた方が右側、「吽(うん)」の形で口を閉じたのが左側に配置されています。仏教の守護神である金剛力士(仁王)と同じ配置です。 

 ちなみに、シーサーは魔除けや火難除けの力があるとされ、阿吽形一対で口を開けて福を取り込み、口を閉じて福を逃さないそうです。