「夏も近づく八十八夜・・♪」
此処に来て寒暖の差が激しい日が続いてますが、
暦はそろそろ「夏も近づく八十八夜・・♪」のほうに移って行きます。
八十八夜は、立春からかぞえて八十八日目にあたる日で、五月二日頃でしょうか。
古から夏への準備をする決まりの日、縁起のいい日とされてきました。
また、八十八夜の別れ霜というように、この頃から霜もなく安定した気候となり、
茶摘み、苗代のもみまき、蚕のはきたてなど一般に農作業の目安とされています。
しかし「八十八夜の忘れ霜」「さつき寒」とも言い、急に気温が下がって霜が降り、
農作物や果樹に思いがけぬ被害を与えることを警戒したことばもあります。


霜なくて曇る八十八夜かな    正岡子規


 八十八夜といえば茶摘み。茶どころ静岡では、新茶の初取引が行われます。
場内には威勢のいい三本締めが響き渡り、明るいムードに包まれます。

 また、西日本のでは初夏の味、トビウオ漁も盛んです。
関東以北ではあまり馴染みのない味ですが、西日本では故郷の味の一つです。

 八丈島や三宅島では”クサヤ”になり、関西の”トビ揚げ(シンジョウ揚げ)”、
ダシに使った九州地方の”アゴ出汁”等々。呼び名も「アゴ」「トビ」「ウズ」「ツバクロ」
「フルセン」「タチョ」「マイオ」等々、各地で様々ですね。

 春を感じて間もないのですが、春と夏が少しずつ入れ替わってゆくのを感じる今日この頃です。