「チューリップ」


オランダを扱ったテーマパーク、長崎県佐世保市のハウステンボスでは80万本が咲き誇る「チューリップ祭」が4月11日までの日程で開催されています。

 心優しいひとり暮らしのおばさんに女神が手渡した球根はやがて花を咲かせ、その中には小さな女の子が座っていました・・・
アンデルセンの童話「おやゆび姫」で女の子を包んでいた花がチューリップであり、昭和初期の俳人松本たかしは「チューリップの花には侏儒(コビト)が棲むと思ふ」と詠みました。

 このようなメルヘンチックな花が、投機の対象となり、人々を惑わしていたことは今となってはそれもまた童話の世界の出来事のような感じがいたします。

 1630年代のオランダでは、チューリップの小さな球根が、平均的な労働者の賃金の10年分の値段で取引され(現在価値に換算すれば5000万円以上)、借金をしたり家屋敷を売って球根を買い求める人が相次いだそうです。
これが世に言う「チューリップ・バブル」で、最終的には多くの人が破たんしたそうです。

 そんなチューリップの昔話は、人間の価値判断の不確かさ、「みんなで渡れば怖くない」の怖さを今にも伝える教訓なのでしょうね。