「鯛(タイ)」


「魚」に「周」(あまねく)と書いて鯛(タイ)。名前の通り、日本周辺に生息しています。
広義には「スズキ目スズキ亜目タイ科」の総称です。種類も豊富で、クロダイ、チダイなどがありますが、代表格は真鯛(マダイ)で、祝い事に用いる習慣は江戸時代に定着したそうです。

 「タイに旬なし」と言いますが、桜の咲くこの時期が産卵前で最も美味しいとされています。
鯛の身は歯ごたえのある白身で、他の魚に比べて臭みや脂肪などの癖がなく、鮮度の落ちが遅いのも特徴です。
刺身、昆布締め、塩焼きに煮付け、蒸し焼きや干物、鯛めしといったように、たくさんの料理があります。
刺身に使われている身のほかにも、唇や頬肉、胸びれのつけ根(カマ)もたいへん美味で、食通の間で珍重されているようです。

 この時期の真鯛は体色が鮮やかなピンクとなり、見た目も美しく、桜の時期とも重なるため「桜ダイ」とも呼ばれます。

 最近は年間を通して安定供給できる四国などの養殖物が主流で、天然物に比べて浅場で育つため日焼けしてしまい、黒ずんだ色になっています。
尾びれが丸いのが養殖物、力強くハネたものが天然物だそうです。