「一陽来復」
 今日は二十四節気にいう「冬至」です。
昔はビタミンが不足しがちなこの時期、ビタミンAなどを含む肝油ドロップを食べていた人も多いのではないでしょうか。

 現在ほど医療(対処療法)が進んでいなかった昔は、当然ながら予防に重点が置かれていました。
西洋医学と東洋医学の違いは、「病気や怪我を治す」という発想と「健康を保つ」と言う発想の違いであると言われます。

 野菜が不足しがちなこの時期に栄養価の高い「南瓜(かぼちゃ)」を食したり、精油成分や有機酸類が多く含まれ香りもよい「柚子湯」につかるのも、健康を保つという発想であり、経験によってその科学的効用を知っていたからであります。
 
 ところで、冬至は年間を通して夜が一番長く昼が最も短い日でもあります。
つまり、この日以降は太陽が出ている時間がしだいに長くなり、「一陽来復」と言われるように「陰極まりて陽再び生じ始める日」でもあります。

 一陽来復は「悪いことが長く続いたあとで,ようやく良い方へ向かうこと」という意味でも使われます。
一陽来復、季節が巡るように、誰のもとにも良い時期が必ず巡ってくるものです。