「御中元」
関東甲信地方が梅雨明けしました。本州では関東甲信がトップで、昨年よりも5日、平年よりも6日早い梅雨明けで、いよいよ夏本番を迎えます。

 ところで、先祖の精霊を供養する「お盆」はもともとは7月15日前後の「盂蘭盆」のことでありましたが、夏休みと重なることもあって、今は月遅れの8月に行うところが少なくありません。

 盂蘭盆は、お釈迦様が、餓鬼道に落ちて苦しむ亡母を救ってあげられないと嘆く弟子に、7月15日に先祖を供養すれば母は苦しみから逃れられると弟子に教えたのが始まりですがこの日は古代中国の「三元論」を起源とする「中元」でもあります。

 古代中国の道教の影響で、旧暦では1月15日、7月15日、10月15日をそれぞれ「上元」「中元」「下元」とし、年の折り目の日と考えられていました。

 中元は本来、この半年間の無事を祝い、先祖を供養する日でありました。それが盂蘭盆と結びつき独特の行事となった経緯があります。
現代では、目上の人や恩人に贈り物をして感謝の心を表す風習として形を残しており、中元以外では1月15日の「小正月」に上元の残影があります。

 ちなみに、「御中元」は7月15日までに先方に届くように贈りますが、時期が過ぎてしまった場合、のし紙の表書きは、立秋(8月7日)までなら「暑中御見舞」、立秋を過ぎてしまった場合は「残暑御見舞」、目上の方には「残暑御伺」となります。