「新型インフルエンザ」
 今季のインフルエンザの流行は例年よりも早いそうで、すでにいくつかの集団発生が確認されているようです。

 風邪予防には手洗いとマスクと清潔な衣服の三つが効果的とされていますが、国内の死者数が最大64万人と推定されている新型インフルエンザの大流行が危惧されていますが、「N95」というマスクが注目されているそうです。

 「N95」というのは、マスクの形状や種類のことを指しているのではなく、米国労働安全衛生研究所が定めた規格で、「N」は耐油性が無いことを表し、「95」はたばこの煙と同等の0.3マイクロメートル(単位:μm、1000分の1ミリメートル)の微粒子を95%以上カットできるという性能を示しています。

 インフルエンザは周囲にまき散らされた咳やくしゃみの飛沫で感染が拡大します。
インフルエンザウイルスの大きさは0.1マイクロメートルほどですが、通常は唾液などの5マイクロメートル程度の飛沫と一緒に飛散するため、市販の不織布マスク(性能は「3マイクロメートルの粒子を95%以上カット」等)でもある程度の効果が期待できます。

 ちなみに過去に発生した新型インフルエンザの全世界での推定死亡者数は下記のようになっています。
  
 発生年     名 称     死亡者数(推定)
 1918年   スペイン風邪  4000万人
 1957年   アジア風邪   200万人以上
 1968年   香港風邪    約100万人

 新型インフルエンザは過去に人類が経験したタイプとは異なるウイルスであるため、従来型のワクチンでは予防できません。
鳥インフルエンザのウィルスから製造したプレパンデミックワクチンの政府備蓄は約2千万人分(新型への有効性が完全に確立されたものではありません)で、さらに高い効果が期待されるパンデミックワクチンは新型インフルエンザが発生してからの製造するそうで、大量生産には時間もかかります。

 厚生労働省は新型インフルエンザ対策として、通常の災害時のための物品や食料などとともに、1人当たり8週間分(20~25枚程度)の不織布マスクの備蓄を推奨しています。
ただ、顔に密着するものでなくては効果がありませんので、自分の顔にフィットし密閉性も高いものを予め見つけておくことが大切でしょうね。