「四季の女神達」
  今日から松葉ガニ(ズワイガニ)の漁が解禁となったそうです。
上品な甘さと弾力のある歯ごたえが特徴のズワイは冬の味覚の王様といわれるほど人気があり、旅行会社はズワイガニを目玉にしたツアーを各種取りそろえてるようです。
近畿北部や北陸などの温泉地はこの需要の恩恵を受けて発展して来たのかも?。

 さて、 季節は稚児の歩みのようにゆっくりと移り変わってゆきますが、まだこの辺りの木々はところどころようやく色づき始めた段階です。

 中国の四季は青帝、炎帝、白帝、黒帝という男性の神々がそれぞれ司っていますが、日本の四季は女神が司ります。

 春は佐保姫、夏は筒姫、秋は竜田姫、冬は宇津田姫です。春を司る佐保姫は野山を花で埋め尽くし、秋を司る竜田姫は錦のような見事な色彩で山や里を彩ります。

 木々が一本一本違った色づきを見せる、まるで姫君のような秋の山は、そこで新鮮な空気を吸い、そこに居るだけで、眺めているだけで、身体の細胞が新しいものと入れ替わるような、そんな気分の良さを感じます。

 また、これからの季節は空気も澄み、高原や山など、遮蔽物のない高地から見る星空には格別の良さがあります。
山々の色づきを楽しみ日が暮れた後、上を見上げればまるで宇宙にいるかのような感覚を味わえるはずです。

 日々の暮らしの中では、近くばかりを見つめ気にしがちですが、たまには静寂の中で遥か遠くを眺めてみるのもいいものですね。