「流行色」
 景気と個人の消費や好みは密接に関係しており、例えばスカートの丈と景気の関係等は昔から指摘されています。
事実、04年夏のマイクロミニの流行の際も景気回復と関連付けた記事が散見されました。

 他にも「女性の眉毛は景気が悪い時は細く、良い時は太い眉毛が流行する」という説もあります。また、色と景気についても「景気が良い時は白や明るい色が流行し、反対に景気が悪い時は黒やモノトーン(黒・白・グレーなどの無彩色だけで構成されたスタイル)が流行ると言われます。

 流行色というのは、社会の多様化等で一様ではなくなってきたように感じますが、全体としてはやはりはっきりとしたトレンドが見てとれます。

 ただし、流行色が足元の景気の良し悪しを必ずしも反映しているわけではありません。
女性誌などでは早い時期に「次の流行色はこれ」という特集が組まれますが、実際には流行する色が何であるかという情報が予め存在しています。

 これは実シーズンの約半年前にパリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨーク、東京で開催される世界5大デザイナーズコレクションが参考になっているわけですが、その約1年半前から流行色の情報を元に素材メーカーやアパレルメーカーにより商品開発が進められています。
そこで元になる情報というのが、毎年2回開かれる国際流行色委員会で決定した「インターカラー」だそうです。

 つまり流行色というのは、実シーズンの2年前にはおおよそのトレンドが決定しているわけです。
実際にその色が流行るとの保障はありませんが、供給側の利便性という観点から、コントールされた情報の一つといえます。