「土用丑の日」
 今年は夏の「土用丑の日」が二度あるそうで、今日はその「一の丑」です。
数日前から新聞の折り込みチラシにはおいそうな鰻(ウナギ)の蒲焼きの写真が・・、街の鰻屋の換気扇からは何とも言えない芳ばしい薫りが漂っています。

 今年は産地偽装の影響が大きく、スーパーに並ぶ鰻にはほとんど全て「日本産」あるいは「鹿児島産」などのシールが貼られ、価格は例年よりも2割ほど高く、売り上げは鈍っているようです。

 ところで、陰陽五行説では天地間の出来事のすべては木火土金水の五つの要素からなり、その盛衰、消長などによって定まると考えられました。
春に「木」、夏に「火」、秋は「金」、冬に「水」を配し、季節と季節の間に「土」を配したのが「土用」の始まりです。

 五行説では「土」は物を変化させる作用を持ち、「用」は働きを意味しており、「土用」とは本来季節の変わり目のことを言います。
「土用」は年に4回ありますが、夏の土用(立秋まで)だけが話題になります。

 昔は土用の丑の日には「うの字つくもの」、梅漬、うどん、瓜などを食べ、水に浸かって禊祓(みそぎはらえ)をする習慣がありました。
江戸の頃に平賀源内が鰻屋に「本日土用丑の日」と思わせぶりな看板を上げるよう知恵を授けて以来この日は鰻の日となったようです。

 鰻が栄養価が高いことは皆様ご存知かと思いますが、内蔵や目の粘膜などを強化し、免疫力を高めてくれるビタミンAの含有量はイワシの100倍、牛肉の200倍。
若返り効果のビタミンEや、疲労回復に欠かせないビタミンB1、美肌効果のコラーゲン、血液サラサラ効果のEPAや脳の働きを高めるDHAなどが豊富に含まれています。

 
 「夏痩せて 嫌いなものは嫌いなり」         (三橋鷹女)

 何かにつけ忠告したり教えたがったりする人が多い昨今ですが、本人としては十分に分かっていても望まないことだったりします。
上記の歌からはそんな気持ちが伝わってきます。