あれから
午前4時半に眼ざめ、窓を開ければ雲の隙間から
夜明け前の青空がうっすらと見える。

少し夜が長くなった感じがする。
今日も雲ったり晴れたり急な雨が降る同じような天気が続く。

雨が降れば土の匂いがし、風が潮の香りを運んでくれ、
隙間風がカタコト小窓を揺らすと秋のように寂しい。

7月1日は、どうして暮らそうかと不安でいっぱいだった。
私は、ひたすら主人を頼り過ぎていたから。

彼と連絡が取れたのは6日の夜になってからで、
その後、判らない事等をPCを通じて教えてくれた。

彼が旅に出てから1日経ち、5日経ち、10日が過ぎても
気持が壊れそうで孤独な日々を送っていた。

そのうち、忙しくなると身の回りの事で精いっぱいになり、
主人が帰る前にするべき事を片づけなければと焦ってきた。

もう1ヶ月が経つと気付き、私には長い7月だったと思う。
寂しがりの私が何とか一人で此処まで辿りついた。

喧嘩をしながらも離婚という言葉は、彼から出た事はない。
彼は「人生にとって貴重な時間を大切に使っているんだよ。」
そして、「何もしないで年をとるのは嫌だ。」が口癖。

私が、何も文句も言わずに我慢しているから自由に遊べるのよ、
心で呟いても口には出さない。

あれから1ヶ月が経ち、未だに夜になると薄気味悪い。
私は、何時からこんなに臆病になってしまったのだろう。