2015年08月の記事


この町
この頃、少し夜長になり午前5時起床。
窓を開ければ微かに涼しい風がすうすう入る。

富士山が見える玄関先に出れば
あの夏の風ではなく小さな秋を感じた。

楓の葉がカサカサ揺れれば
団扇で仰いでくれるように心地良い。

激しく鳴いていた蝉の声は聞こえず、
虫の音が涼しそうに聞こえた。

猛暑の夏は終わりでしょうか。
これから暑さも収まる処暑に入った。

何の虫だろうかと五感を全て耳に集中させても、
虫の名が判らない。

日中、商店街に買物に行った時、
シャッターの閉まったお店を見る度寂しい。

この町は何時まで不況の嵐が吹き続けるのでしょう。
それは大型店がやってきてから。

大型店は残らず人をさらっていく。
車という便利なものが一切合切変えてしまった。

あれほど賑わっていた商店街に活気が無くなり、
五、六軒おきにシャッターが降ろされ、

「閉店しました。」そして移転先が書いてある。
空き地には夏草も伸びていた。

それでも横丁に入れば打ち水がしてあり、
元気な子供の声がした。

新しいお店を建てるのか大工さんの電ドルの音がして、
嬉しくなってきた。

温泉も有り青い海と景色の美しいこの町に
一日も早く活気が戻って欲しい。

そんな事を思いながら家路に急ぐ。
今夜はぽつぽつ雨が降り出した。
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欲のない私



今月になり少し雨が降り、凌ぎやすい日があったものの、
再び暑い真夏日がやってきた。

お盆の時、お墓でもお仏壇でもご先祖様を供養した後、
何度も何度も願い事を拝んでしまった。

仏様には願い事を言う所ではないのは知っていた。
これでは成仏できないと思い、成仏する事のみ拝む。

願い事は近くの神社に行こうと思う。
私は長年悩んだ末、父が住んでいた土地を放棄した。

父と離れて住んで居た私は父をお世話してくれた親戚に
父の土地を譲り相続放棄報告書を書いて裁判所に送った。

主人のように欲をかいて揉め事を起こしたくないし、
昔から欲のない私だから胸がさっぱりした。

車が行き交う住み難い場所でも少なくても
百五十坪以上は有った。

「放って置け」と言っていた彼も、私の意見に賛成してくれ、
心の中でも諦めが付き、これで良いと思った。

法律的には私が父の土地を貰う権利が有ったが、
勿体ないと言う欲を捨てれば親戚の人が生きてゆける。

今の食生活は、節約家の彼の言う通りに食して居る為か、
太るはずがない。彼は高身長でも60キロはない。

無類の旅行好きでも食物は粗食で
一匹百円の秋刀魚でもあれば喜んでいる。

私はそれに胡瓜の糠漬けや頂き物の佃煮等を添え、
安い冷奴を添えれば十分である。

昔、ご飯にお醤油を掛けたりお砂糖を掛けたりして
食した極貧時代を考えれば贅沢だと思う。

私は何十年も着物もワンピースも買わずに
擦り切れるまで着て流行等追わない。

何も欲しいものはない。
美味しい物を頂けば人にあげる性格は母に似ている。

食事の際、彼には一品多く冷蔵庫の残り物で作り、
結核等にならないように気を付けている。

お盆の時、帰省できる家庭が有れば良いと思うけれど、
今の生活を自分なりに楽しみを探して暮らしたい。

そしてこんな老朽化した家でも、
平凡に生きられる事に感謝している。

胡瓜漬け 青のしたたる朝の膳 sakura.
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お盆は忙しい
湿った空気と暑さで大気が不安定になり、
雨が降りそうな空模様。

暗い顔して鳴きそうな空。
雨を降らすこともできない空。

台風が海を通っている為か、風が強い。
この風は海から吹いてくる風だわ。

先月下旬に雨が降っただけでずっと雨が降らない。
3日前にぽつぽつ降って喜べば直ぐに止んでしまう。

雨らしい雨が降って欲しい。
草木が枯れてしまうから。

猫の額程の狭い我が家の庭だけではなく、
田畑や野原の草花も瑞々しさを失う。

野原のお花も枯れてしまいそうで誰も見向きもしない。
名も知らぬお花、雑草と言うけれど雑草という花はない。

一つ一つ名前がある独立した野草である。
一つ一つ、命もある夢も将来もある貴重な野草だ。

お盆用のお花は高価でも自然の美しさがない。
庭や野原に咲くお花が好きだわ。

驚いた事に今朝から雨が降り出した。
草木が生き返った感じがする。

お盆のお客様が見えると聞いて
急いでお仏壇にお花やお供物等を飾り終えた。

午前10時からお客様が5人いらっしゃった。
次女は公務員の婚約者を連れて挨拶に来た。

8才年上でとても純朴そうな三男とのこと。
主人が笑顔で質問すれば真面目に答えていた。

長女は1才2か月の可愛い孫を連れて来たが、
とても可愛くて私は暫く遊んでしまった。

今日は久しぶりに雨が降り29℃と涼しく、
玄関先に出ればさらさら風が心地よく吹いていた。

15日に住職さんが来るので16日頃は皆で其々の住まいに帰るらしい。
明日から再び厳しい残暑がやってくる。

今、夜の洗濯を終われば眼が開かない程くたくた。
今夜は早めに休ませて貰おう。
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立秋



少し夜が長くなり午前4時では既に暗く、
4時20分頃、しらじらと夜が明ける。

その後、東の空が茜色に染まり、
早起きのカラスの声を聞く。

やがて陽光の眩しい朝を迎えれば、
少し楽になった腰痛をかばいながら朝食の支度を済ませる。

お盆が近づく度に今年は来客に何を作ればいいのか、
どんなお花や果実やお菓子を飾ろうか、

朝、昼、晩の食事や片づけその他家事に追われ、
あれこれ考えているうちに1日があっと言う間に過ぎてしまう。

8日頃は二十四節気の第13、立秋。月日の速さを感じてならない。
暦の上では立秋、何となく秋の気配を感じられる時期を指している。

実際は猛暑日が続き、とても秋と言う感じはしない。
まだまだ夏の高気圧が勢力を保ち、暑さは続いている。

しかし、賑やかな蝉の鳴き声が少なくなり、
か弱い産まれたばかりの蜻蛉が飛び始めている。

太平洋高気圧が弱くなれば、低気圧が近づき
通過する時に見られるのが秋の雲とのこと。

葉月は夏と秋が入れ替わる時節で雲の種類も変化する。
夏の入道雲から秋の鱗雲に変わったり。

来る日も来る日も雨が降らず樹木の葉もしおれて、
夕方になると曇り遠雷の音だけが聞こえる。

夜になれば心なしか船の汽笛が聞こえる程度で
静寂な空気が漂う。

腰痛でレンガ並べを手伝えずに主人に申し訳ないと思い、
夏バテしないように精一杯の料理を作っている。

お盆が終われば再び旅行に行く事を分かっていても
自由奔放な性格は変えられない。

立秋とは名ばかりの26℃の熱帯夜が続いている。
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夏の夕暮れ
照り付ける太陽が消え、空が暗くなってくる。
嫌な予感がすれば遠雷の音を聞く。

やがてその音は少しずつ大きく聞こえ、
雨が降りそうな気がして家路を急いだ。

その時は蝉の声が賑やかに聞こえていた。
蝉もどんどん倒れ、
裏どうりを歩けば私の身体にぶつかってくる。

昨日、ごみ当番が終わる午前中、
暖かな熱風が吹いて高気圧の影響かと思う。

あれもこれもやるべき事が沢山あるのに、
歯科の治療その他の治療も行かない。

自分の身体は後回しにして私なりに精一杯
家事や町内のお付き合い等をしている。

八月はお盆の準備で忙しい。
一才になった初孫を連れて長女夫婦、未婚の次女達が
泊りに来るので凄く気を使ってしまう。

嫌と思いながら接すれば嫌になるから、
積極的に自分のできる範囲でもてなしすれば、
相手の心にも通じるはず。

昨年手術した右足親指爪が再び悪化し、
整形で麻酔なしの小手術をして頂いた。
治るならと痛みを我慢したが再発し昨年と同じ状態で痛む。

痛んでも靴を履かずにバックサンダルで歩いている。
信じていた医師が再発するような手術をして残念でならない。

命には関係ないけれど歩く度に痛い思いをするのでは、
外出しても思い切って走ったりはできない。

猛暑で小手術でもしたくはない。
様子をみながら秋風が吹くまで待とう。

今日は辺りが薄暗くなる前に買物に行って来たが、
家の近くに着いた頃は日がとっぷりと暮れ、

塀越の花の梢の向こうを覗いても、
何も見えないほど暗くなっていた。
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