2018年11月の記事


私の故郷



あの山々もこの海も私の故郷。
笑った日も泣いた日もいつも私を見ていてくれた。

初冬の海は静かで青々と美しい。
山々には温泉ホテルが並んでいる。

今日は雨が降って富士山は隠れてしまい、
顔も出してくれなかった。

野原のススキは小麦色から茶色に変色し、
師走には枯れススキになり散ってしまう。

南国に行く為、引っ越しの支度を始めたが、
主人は早朝から日帰り旅行で困っている。

無断で外出するときは旅行だと思う。
もう少し早い時期に旅行に行って貰いたい。

幾つになってもあの人の性格は直らず、
考えれば疲れるのでやるべき事だけ進めている。

冷蔵庫に残った食物を少しずつ食べなければ、
庫内を空にして引っ越し出来ない。

山々は紅葉して綺麗なのに、
一人で山を歩くのは危険で辞めている。

焦っても焦ってもごちゃごちゃした部屋は
中々、片付けが捗らない。

雨降り止まず心が乱れるだけ、
雨よ、そんなに強く降らないでね。

雨しとど 大きな柚子が 匂ふ里 sakura1205
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晩秋



風が冷たくなりました。
もう明日は立冬ですね。

霜月が来るたびに年老いた父を思い出す。
寒い冬も猛暑の夏も自転車で会社勤めをした父。

70代まで寝込む事もなく、こつこつ働いていた。
借金返済が終わる迄働き、出血に驚いて退社した。

気管支炎で少し痰に血が混じったのを
悪い病気と思いこんでお仕事を辞めた。

72才迄、雪の日も雨の日も休まずに
自転車で通った父は立派だった。

父のように優しく強くなりたいけれど、
中々難しい。

裏庭の柿の葉も一片二片はらはら散って
霜月下旬には枯れ枝だけが残るでしょう。

相変わらず主人はアパートの屋根に上り、
危険な仕事をしている。

「危ないから辞めて!」頼んでも聞く耳を持たない。
どんなに疲れても朝マラソンをし、
自分に厳しく、お金を使う事が嫌いな人である。

金銭よりも命を大切にして!
彼と遊ぶ人は居ても生活をできる人はいない。

昼下がりから草の匂いを漂わせ雨が降ってきた。
その雨は土砂降りになったりやんだりの繰り返し。

海沿いを通っても人もまばらで波音だけが聞こえていた。
水玉模様の傘さして、ひたすら海を見つめても、
鴎が海から出たり潜ったりキイキイ鳴くばかり。

やがて傘をさしても肩を濡らし、
晩秋の雨が降って来た。

風の音も強く
海の色も暗くなり、
潮の匂いなど何も分からない。

愚痴もこぼさず笑顔でいても、
呑気な私だって泣きたい時もある。

心の広い海に涙を捨てにきた。
家路を急いだ頃は笑顔の私に戻っていた。
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