2024年02月の記事


野道うらうら
今日も何時ものように外出する時、
長い坂道を眺めながら徐々に上がって行く。

この坂を登らなければ何処にも行けない
あゝ溜息をついた。

平で楽な道ばかり歩いていたら
汗をかいて上がった後のやり遂げた気持ちが
分からない。

小さな山の頂上に登りつめた達成感がない。
あの坂道は三回曲がりながら大通りに出る。

大通りには様々なお店が立ち並ぶ。
同じ町名なのに何故これ程、時間が止まったように
静かな丘に有る住宅と交通量が多い街並み。

デジタル時計が目に入る。4時46分の文字が
じっと動かずに光っていた。

時間は流れている筈なのに
デジタル時計は動かない。

楽しい時だけ別の角度に
瞬間移動をしていただけ。

色々な時計が生まれた日から
私は刻まれ続けてきた。

午前0時になったら明日は来るのでしょうか。
午前0時を越したら未来は来るのでしょうか。

買物帰りに南寄りの暖かい風が吹いた。
風が埃に塗れた私の顔を綺麗に拭いてくれた。

ふと眼を上げた時、時計の数字が変わった。
身体の何処にも感じない
昼と夜の境目で。

沖縄は今、緋寒桜が愛らしく咲いて、
私の心を和ませてくれ、思わず微笑んだ。

如月の 野道うらうら 陽に映えて 黄の菜の花は 春告げており。sakura作
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