2017年03月の記事


春は麗らか



春分は太陽が真東から昇って真西に沈み、
昼と夜の長さがほぼ同じになる。

寒さは少し和らぎ過ごし易い季節になり、
この日から夏至まで、昼がだんだん長くなり夜が短くなる。

伊豆高原桜並木も 淡くほんのりと紅をさし、
若葉も微かに芽吹いてピンクと緑の色合いがいい。

絹ごしのような柔らかな雨が音もなく桜木を濡らし、
開花したばかりの桜の花びらに落ちた。

春の宵は四季の中で一番うきうきした気持ちになり、
麗らかで清々しい風が吹き心地よい。

只、様々な動物や虫が冬眠から覚め、
山や棚田から這い出てくる。

今日も私が留守をした時に主人も直ぐに出て行った。
彼女の鍵を持って帰宅をすれば寝てばかり。

何時も翌日になっても朝は起きない、
昼寝をしても夜は早く寝てしまう。

そんな光景を十何年も見て来たが、
捨てられた私でも気分のいいものではない。

にこにこ迎えても、怒っても彼の性格は直らない。
これならいっその事、一人暮らしの方が気楽ではと思う。

嫌な思いをして長年耐えて生きて来たが、
今迄通りに彼に合わせて生きていけばいいのか。

家族になって十五年が経ち、
お互いにこの年になってしまった。

離婚をすれば損をするから絶対に離婚は避け、
自由奔放に楽しく生きてきた彼をずっと見てきた。

日本で一番貧しい県に住んで居れば、
気の毒な人を見る度に「下を見て暮らす。」

そんな言葉が素顔の私を増々、質素な暮らしにさせる。
今月も形振り構わず何回薄化粧をしただろう。

髪を切る 鏡の中も 春の雨。 sakura
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さくら


奈良時代から平安時代にかけての頃までは、
桜より梅の方が好まれたとのこと。

桜の木は奈良時代半ばに日本に初めて植えられた。
観賞用として植えられた桜の多くは
ソメイヨシノと言う品種である。

およそ百年後、都が京都にうつると日本らしさが大事にされ、
昔から山で咲いていた桜に主役が交代。

桜を植える人、育てる人が居たからお花見ができる。
今年も数日で桜の開花が発表されるとのこと。

町の人達は桜を見て喜び「綺麗だわ。」と桜を誉めていた。
人間がどんなに喜んでも桜は何も黙して語らない。

それでも、厳しい冬に耐えて春になったら人の前に顔を出したいと
思っているかもしれない。

開花してから一週間で満開になりその後はどんどん散るばかり。
ひらひら春風に舞いながら、ゆっくりと落ちゆく姿は風情がある。

花筏に乗って海へ流れていく光景は桜と別れの時期、
一抹の寂しさを感じながら、さよならと心で呟いた。

沖縄はツツジ祭りで人々の目はツツジに注がれる。
週末から20℃以上の気温に上がり沖縄らしい。

曇りや雨が続き、快晴の日は週に一日位かも知れない。
どんよりした空を見つめて鬱陶しくなる。

一瞬だけ太陽が顔を出した時、もしかしてと喜んでも、
期待外れの太陽に惑わされただけのこと。

明日のお彼岸を前にお萩を少し作ったが、
店頭販売されているものより大きくなってしまった。

糸満マラソンから帰宅した主人は疲れた様子も見せず、
那覇マラソンに比べれば楽なマラソンと言う。

賞状や丁シャツ等を頂いた事を話しながら、
記録更新がどの位できたか自慢をしていた。

毎週、一日おきに10キロまたは5キロ走っていたので
体力づくりにはなっていると思う。

散れども散れども咲くハイビスカスに癒され、
梅雨のような曇り続きでも仕方ないと空を見上げた。

花開く 春よみがえる 歓びの 満ちくる如く さくら優しき
sakura
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花は耐えて咲く




3月1日から東村で33回つつじ祭りが始まり、
やんばる(沖縄県北部)の春を彩るイベントとして
県民の間で定着している。

「村民の森つつじ園」では、約5万本のつつじが美しい。
隣接する「つつじエコパーク」にはバンガローがあり宿泊もできる。

うっそうと茂る小高い山道を行けば名も知らぬ小花が風に揺れ、
その先には数えきれない程の美しいつつじが咲いていた。

4年前、自然がいっぱいのつつじ咲く山でお弁当を食べ、
澄んだ空気を吸って喜んでいた。

そして5日は二十四節気の一つ啓蟄、冬眠していた虫達が動き出し、
人間も「さぁ働くぞ。」意気込み始める日ともいう。

文字通り地中で冬ごもりしていた虫が春の到来を感じ、
草木が芽吹くと同時に地上へ這い出してくる頃。

静岡では日当たりのいい川辺にお正月頃から菜の花が咲き、
桜が散る頃に同時に枯れていく。


春の日差しのなかに秋も見えるような光景を感じながら、
かさかさ枯葉のように風音をたて血潮紅葉が揺れていた。

淡いピンク色の蓮華の花が広大に広がり、
フラワーパークにいるようで春って大好き。

故郷の川の水は澄んで勢いよくざぶざぶと海へ流れ、
広大な海が川の水を「ようこそ。」出迎えてくれる。

三月下旬には川の両側で桜が満開になり、
様々な花が咲き、夢を見ているような光景が目に浮かぶ。

春は冬と夏の間で3月から5月迄の3ヶ月をいう。
次第に昼が長く夜が短くなり、1年で最もすごしやすい時節。

寒さの厳しい地方の人達はどんなに春を待ち焦がれていたか、
まだ雪が降る地域は、もう少しで春に出会えると思う。

南国に居た私には満開の桜は見られぬけれど、
やっぱり染井吉野は美しい。

桜の樹木の下に行くと厳しい冬に耐えた傷跡が、
ありありと見え、それが一層美しさを増す。

咲き始めは樹木から芽をだし蕾が膨らむ。
その段階で一年開花を待っていたと言う風に見える。
そしてパッと一片開けば次々に咲き嬉しそう。

満開に咲いた桜を見て人々の笑顔がこぼれ、
早春の風にふわふわ揺れて桜も楽しそうに笑う。

華やかさは無くても満開の緋寒桜も散り始め、
花の命の短さをつくづく思う。
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泊り港
泊りの港を通った時、懐かしさでいっぱいだった。
沖縄では那覇港に続き二番目に大きな港。

2回目に沖縄に住んだ頃は泊りに一か月だけ住み、
直ぐに便利な所へ引っ越してしまった。

近所にスーパーは無し、コンビニは無し、
鴎が飛び交う港だけは明々と灯りが点っていた。

マンションを出れば眼が回るような急な坂道に囲まれ、
自転車はとても乗れない。

何時も船の汽笛だけが聞こえる寂しい街だったわ。
それでも二人で坂の上の食堂に何度か出かけた。

主人は嬉しそうに「あれにしようか!」なんて
美味しそうに食し、楽しくお喋りをしながら食事をした。

そうそうあのお店は節約家の彼には安くて気に入ったようだ。
あの時、私はハンバーグ定食を食していた感じがする。

八階に住んでいた為か夜景は美しく、
海風が吹くので10月でも暑いとは思わなかった。

私は泊り港を通った時、五感を全て耳に集中させて
ひたすら波音を聞いていた。

船の汽笛が川岸に響き渡り鴎の声が聞こえる位で
小雨がぽつぽつ降り出して急いでバス停迄歩く。

離島から入港する船か、出港する船か
夕暮れの漁港は船が数艘止めてあった。

彼はもう一度あのお店に行きたいと時々呟きながら
魚釣りに行き小魚を釣って来る。

近所の緋寒桜は小雨にぱらぱら散り始め、
三月は早くも本島北部でつつじ祭りが3日に開催される。

温暖な気候の為、色々な花々が咲くのは速い。
特に東村のつつじ祭りは華やかなツツジが見られる。

数年前に行ったことが遠い出来事のように思う。
四季のない沖縄に短い春が駆け足でやってくる。
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