2014年06月の記事


さようなら水無月
天候がくるくる変わり、曇り後晴れその後気温が7度下がり、
半袖から七分袖に着替えた。

再び雨が降りそうな暗い空に小鳥達が何かを求め、
飛び交っていた。

海に向かって歩いて行けば主人の学友である先生に出会った。
「先生、お久しぶりですね。」私が笑顔で話しかければ、

「あっこんにちは。」今春65才まで教師をし、
4月から農業をしながら2日だけ学校に行っているとの事。

60才で中学校長を退職した後5年間は教師として
勤務していた働き者である。

母子家庭で育ち、苦労した先生とお話をするとホッとする。
昔、主人と同じ高校だった先生は予備校も同じ所に通い、

主人達は電車で通い、先生は貧しさ故に線路道を歩いて通った。
次の駅そして次の駅も歩いて通った先生は愚痴もこぼさず、

他の学友より早く家を出て予備校で勉強した話は聞いている。
先生もお母様も弟達の世話をしながら大変だったと思う。

大学卒業後、先生は中学教師の道を選び、今でも親孝行で、
苦労して国立大学に入れてくれたお母様を大切にしている。

人間らしい味があって先生とお話すると心が癒され、
こんな方と一緒になれば良かったと思う。

主人よりずっと老けて見えるが、態度や言葉使いに
優しさが溢れて誰にも好かれる方である。

7日の深夜、帰宅した主人は玄関先で何度もドアーを
壊れたかのように触り、中々室内に入って来ない。

家に入りずらいのは分かっていたが黙して語らなかった。
考えてみれば病気で寝ているよりも元気で旅をしてくれた方がいい。

あんな主人でも急死でもしたら、私はもっと苦労をすると思う。
女一人で生きていく苦労は嫌というほど知っているから。

もう数時間で水無月が終わり、明日から文月に入ろうとしている。
月日は駆け足でどんどん過ぎていく。
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梅雨の晴れ間
4日前、あの日は雨が降ったりやんだり暗い空だった
夕暮れ時の買物帰りには鱗雲がいっぱい浮かんでいた。

主人が長女のお祝いに行くと言うので、
行けない私は「ごめんなさい、お願いしますね。」と彼に託した。

その日から帰って来ることはないと分かっていたが、
案の定、何の連絡も無しに旅行に行き、4日目になる。

また、ぶらり旅ができるようになり、
好きな旅を思う存分にすればいい。

彼がもっと年老いた時に「自分の生涯は楽しかった。」
そう思ってくれゝばそれでいい。

私はその日その日の生活のなかで幸せを探しながら、
嫌な出来事が有っても明るく振る舞っている。

雷が遠のいた頃、買物帰りに畦道で少し伸びた苗を見たり
涼風を受けながら自転車を少し止めた。

水溜まりでぶくぶく動くのでよく見れば蛙の卵から
オタマジャクシが数えきれないほど産まれていた。

日の暮れた畦道は犬の散歩をする人達で賑わう。
足指の腫れが治らない為、長時間は歩かない。

予報は曇りでも日中の日差しの強さは日増しに厳しい。
雨の確立30%は雨がふらない場合が多い。

鬱陶しくて蒸し暑さが続くのは梅雨だから。
それでも涼しい日もあるので真夏よりも凌ぎやすい。

幼い頃の梅雨は「よく雨がふるわね。」大人が話していた。
毎日のように降る雨が梅雨の雨だった。

そして真夏がきてもクーラー等使わず、
扇風機が有れば十分だった。

廊下には頂き物の多少形が悪くても丸い西瓜が
ごろごろ置いてあった。

あれは少女時代の遠き日のこと。
私は、1日で良いから両親、姉に会いたいと叶わぬ夢を心に描いた。
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夏至



日の出が最も早いのは、夏至の一週間前ころ。
日の入りが最も遅いのは、夏至の一週間後ころ。

日本の大部分では梅雨の最中。今日の21日が夏至にあたる。
今年の梅雨も気温が高めで蒸し暑い。

昨日、昼下がりに涼しさを求めて川辺に行ってきた。
あわあわと流れる水の音、その周りの草の上に座り、

じっと空を眺めていたら、空にも様々な色がある事を知る。
薄淡い水色、濃い水色、淡いベージュ色
そして白い雲が段々見えなくなっていく。

風の色は解らないけれど、樹木の前に行けば緑色に、
紫陽花の前に行けば水色、白、淡紫と紫陽花色に変わる。

風は姿が見えずともひゅーひゅー音を立てたり
そよそよと優しく笑ったりする。

柿の木や楓の木を大きく揺らし、
高い松の木さえも風に叩かれている。

お墓参りに行かなければと思いながら、
家のお仏壇に山百合と菊の花を飾りご先祖様にお礼を言う。

「長女が無事に出産できて有難うございます。」と。
長女は2年間、中学教師を休職するとのこと。

60代半ばにして初孫が産まれた主人は嬉しいと思う。
感情の起伏の激しかった彼も年々柔らかくなった感じがする。

人間は年を重ねる度に少しずつ変わっていくのかも知れない。
時節の移り変わりは早く、もう夏至に入った。

来月、梅雨が明ければ猛暑がやってくること間違いなし。
駆け足でやってくる季節に私は追われるように暮らしている。

今朝は風もなく日差しもなく小鳥も鳴かぬ鈍よりとした朝になり、
梅雨とともに咲く紫陽花がどこへ行っても美しい。

紫陽花に 揺れる心や 風の色 sakura.
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六月の雨



一昨日からぽつぽつ降り出した雨は降ったりやんだり、
樹木や田畑を濡らす恵みの雨。

水分を含んだ果実や菖蒲の花は生き生きとし、
梅雨時が一番好きだと風に揺れて咲いている。

私は、誰も食べない琵琶の実を数個もぎ取り、
食したら前より甘さが増して美味しかった。

何の手入れもしないのに食べられる事が嬉しい。
二日続いて梅雨の雨が降れば水田の苗も喜ぶ。

たっぷりと天から水が降らなければ田畑だけではなく、
真夏になってからも困ってしまう。

土砂降りでもいい、欲を言えばまとまった雨が降って欲しい。
少し離れた田園から蛙の鳴き声が聞こえるはずなのに、

何も聞こえぬ静寂な夜になる。
既に蛙は卵を産んでしまったのでしょうか。

深夜未明、温帯低気圧に変わる台風の風か
一階に一人でいると不気味な風の音が聞こえた。

風に乗って船の汽笛の音がぼーっと聞こえたり、
兎に角風の強い夜だった。

明けて陽光の眩しい暑くなりそうな朝になる。
梅雨の最中で有る事を忘れるような真っ青な空だった。

私は、室内の作業中に足の親指を少し切ってしまい、
そのままにして置いたのが悪かった。

そこから菌が入り歩くのも痛いけれど5日も我慢をしていた。
おかしいので皮膚科に行くと抗生物質を3日分処方され、

それを1回2錠飲むように言われが200㎎を2錠も
飲んだ事がないので迷った挙句薬剤師の言う通りに飲んだ。

こんな些細な事で病気に逃避したくはない。
家庭では口には出さず少しおかしな格好で歩いても
笑顔は絶やさない。
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梅雨入り


昨夜から降る雨は梅雨の雨。
ぽつぽつ降り出し庭の樹木を濡らす。

青から黄ばんだ琵琶の実を支えられずに垂れる枝。
細い一本の枝に8個も琵琶が実れば重たい。

4個位の実をつけた枝は雨に濡れても嬉しそう。
回りに友達がいっぱい出来て楽しそう。

毎日のように拾っても拾っても落ちる小さな柿の実。
数えきれないほど柿の花が咲いたのに、残念だわ。

柿だって雄の木と雌の木がなければ育たない。
一本の木にたわわに実っても強い風に落ちるばかり。

植物には雄しべと雌しべが有り、
美しい花の中に雄しべと雌しべが有る花は両性花と言われ、
多くがこのタイプだと思う。

4日に東海地方は梅雨入りすると同時に大雨予報。
雨より風が強く冷たい海風がカタコト雨戸を叩く。

自然がいっぱいの畦道を散歩に出かけた。
でも風が強くて髪はぼさぼさ、くしゃみも続く。

まとまった雨が降ったら濡れると思い10分程度で辞める。
川の水はざぶざぶ流れタニシの卵が川にしがみついていた。

明けて今朝は薄日がさす明るい朝が戻り、
溜まった洗濯物を干せば雨上がりは心地よい。

手作り机の足元に有る堀炬燵を壊しフローリングする為、
6人用の手作り机を移動するだけで半日が過ぎた。

気の短い主人が口うるさく怒鳴ると疲れてしまう。
でも平凡に暮らせる事は幸せなこと。

裕福な暮らしが幸せとは限らない、
生き甲斐のある暮らしができる事が幸せだと思う。
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