「(第4回までの驚歎)砂漠掘削堀割り設ク」 21歳正名のフランス公費生留学記260719
 「(第4回までの驚歎)砂漠掘削堀割り設ク」 21歳正名のフランス公費生留学記260719

 1869=明治2年、21歳の前田正名は船旅の寄港地で5個の<驚き>を記載。
 旅は香港を出て、サイゴン‐セイロン‐アーデン‐スエズと続く。それぞれ柴棍、錫蘭島、亜丁、蘇士を宛てる。

 ちなみに「柴棍=表記柴昆 ベトナムの都市であるホーチミン市の旧称」、
 「錫蘭島 現スリランカの旧国名」、
 「亜丁 四川省甘孜チベット族自治州稻城県にある標高2900~6032メートルに広がる広大な自然保護区」、
 「蘇士 エジプト北東部の港湾都市」にあたる。

 第一 柴棍 文明的規模の洪大なること。
 第二 錫蘭島 印度の亡国となりしは偶然にあらず。
 第三 亜丁 皆、岩石と砂のみにして青き物をとては一物もなし、岩石の下には水槽を設け降下せる雨水は一滴も空しくせず。
   (つまり)高山は悉く岩石にして一点の青を見ざる。
 第四 蘇士 沙漠を堀割て地中海に通ぜんとする仕掛けの洪大なること。
   (「自叙伝 下」 『国家と社会』p90~91)