付加価値を産み出した明太子、年商1200億円 「博多 中洲界隈(わい)」nhkBS4K260308
 付加価値を産み出した明太子、年商1200億円 「博多 中洲界隈(わい)」nhkBS4K260308

現会長の子息が語る。「『惣菜だもの」と特許、商標登録しない父」。
 戦後、朝鮮半島から福岡中州の一角で食料品店ふくやを創業した夫妻は、「売れる商品を見つけて仕入れても、他の業者にすぐまねされる」。
 オリジナル商品、手づくり商品に思い入れた、と。その「明太子 めんたいこ」も今や国内で年商1200億円のマーケット。

 契機は夫人の一言。「(夫妻が生まれ暮らした釜山)そこで食べた『辛いたらこ』の食品を作れないか」」と俊夫氏に話したのが、きっかけだそうで。
 1949年1月に明太子の原型となる商品を発売するも、全く売れなかった。

 やたら辛すぎ、たらこを生で食べる習慣がまだなかったためだ。 
 夫は諦めず、食べやすくしようと10年ほどかけてあれこれ工夫した。
 「辛みを抑えるために氷砂糖や蜂蜜を加えたこともありました」

 子息は回想する。「父母が食べたのはたぶん『明卵漬(ミョンランジョ)』という塩辛みたいな発酵食品だと思います」。
 売れなかった明太子はそもそもが発酵食品。タラコに唐辛子を添えて、出来る食品ではないらしいことを。後年、後進地のタラコ産地では実感する。そんな出来事もあった。
 発酵の技術と生成環境に加え、氷砂糖や蜂蜜を加味する試み、それが10年余であった。

 完成して人気が高まるにつれ、近隣の商店から「卸して、ウチでも売らせて」
 しかし、創業者は断るも、子息は回想する。
 「自分たちがおいしいと思って作っても、口に合わない人もいる」。
 「ならばいろんな味があったほうがいい」
 「それで明太子をおいしいと食べてくれる人が増えればいいという考えです」。

  創業者は「自分で作ったらどうか」と勧め、作り方から材料の仕入れ先まで教えた。
  「ふくやと違う味にしなさい」。つまり、さまざまな味があって、良いと。
  そこを一語でくくると、明太子には様々な味があって、良い。惣菜だもの、皆がつくる。故に特許や商標登録はしない。

 結果、「いまや明太子は年商1200億円」。
 新日本風土記 「博多 中洲界隈(わい)」初回放送日NHK BSプレミアム4K3月2日(月)午後9:00