記載絵柄の読解に深い読み方 「浮世絵」の紹介番組「Edo Life」231211
 記載絵柄の読解に深い読み方 「浮世絵」の紹介番組「Edo Life」231211

表現のあり様に、時代の常識。そうした利点を発見してnhk5分番組「Edo Life」に注目。
 231203朝放送の「日曜美術館」。実に「まなざしのヒント 深掘り!浮世絵の見方」。
 良いではないですかー。「浮世絵読解」に欠かせぬ番組。そう考えて注視させてもらった。

 1)に「色を味わう」 題材は「神奈川沖裏浪」。
  「何色使われているとおもいますか?」。主任学芸員の問いに始まって、答えは「8色」。
  「ベロ藍という、輸入顔料が使われています」。

  「ベロ藍」は説明によると、「1704年、とあるベルリンの染料業者」
  「(赤色絵具を作ろうとして)赤色の絵具の調合に必要なアルカリがその日はちょうど手元になかった」
  「他の研究者のアルカリを借りて調合を進めていくと突然、驚くべきことに青色の沈殿物が発生」

  そうして誕生の「ベロ藍」。
  「鮮やかな青色に発色するこの絵具を用いることで、透明感のある青が表現できるように」とする効果。
  「(従来の)植物系の「つゆ草」や渋い青色の「本藍」ではかなわなかった」結果に。

 2)に「線で驚く」 題材は「歌川広重 名所江戸百景 大はしあたけの夕立」
  「細い雨」&「太い雨」。絵柄で見ただけでも、「雲」「雨」「大地」の境界との「線引き」
  そもそも、細い&太いの線は、どのように彫り、かつ刷って仕上げるのか。

  そこを「版木」を公開することで、その難易度の高さを示す。
  「摺師」は、凸部分に色を付して刷り上げる。彫り師は印字する線の部分を残して版木を削って凹をつくる。
  ポイントは「細い釧」は鋭角に残し、「太い線」は丸みをつけて彫りあげる。
  たとえば「雲」「雨」「大地」の境界などは、彫師の腕の見せ所なのだ。

 3)「浮世絵とは」 題材は「今様見立士農工商 職人. 歌川国貞(初代)/画」。
   構成は隅田川、花の賑わい。
   実は「版元が主要な役割を果たし、売れる題材」のコーディネートを担当する、と。

  言わずもがな。そういうことであろうが、「現代の様子を記録しながら、なかに未来を予兆させる<楽しみ>を織り込む」。
  「心がハズミ、ワクワク、うきうきさあせる」を<描く>のだそうだ。
  出演は大田区立美術館の主任学芸員。23年12月24日までの会期だそうで。