<あるモノ発掘>で、<地域に意味>」の発見 地域に付加価値創出の博物館的思考211022
先年10月22日、釧路地方の地名を考える会で講演した内容の要旨が公開されました。
図書館資料は精緻にして豊富な内容で構成されているも、<記載内容で見落とし>かつ<イメージが固定される>ことも内包する枠組みを超えてゆく可能性が「博物館的思考にはある」。そうしたことを明示しようと試みました。

釧路地方の地名を考える会の坂下民男さんが、『釧路地方の地名を考える会々報』のなかで、まとめてくださいました。
このほど発行されたことを機会に、その内容を示させていただきます。

(紹介文)
令和三年十月二十二日に開催された、佐藤宥紹氏による学習会の概要を報告いたします。
 表題は「支流・小流へのアプローチ―別寒辺牛川水系、尾幌川の生活史―」。
 1)図書館視点から博物館視覚へ
 2)一流路に三景観の意味
 3)流域に生活地名を読みとく
(内容) 人々はこれまで川に依存して生活してきた。これからも川と関わってゆく生活がある。そこのところを一本の川を通じて検証する。
上記のように「学習会の案内」文に書かれているが、講演では「1)図書館視点から博物館視覚へ」については以下のように説明された。が説明不足であったようなので少し考えてみたい。
 「図書館視点」とは、記録中心で記録を作った集団の史実が検討の対象にとどまり、河口を横切る「政治の道」視点に陥りがち。その結果、記録をもたない先住民族の生活実態が反映されないとされる。
 これに対し「博物館視覚(視点)」とは、自然・遺跡・地名を記録し、環境・生活への視覚を提示することで未記録時代の地域関係(とりわけ河川の役割の大きさに着目)を可視化出来るとした。