聴いた市民の好感、出版をうながす 『語り継ぐ 釧路の松浦武四郎」220226
聴いた市民の好感、出版をうながす 『語り継ぐ 釧路の松浦武四郎」220226

語りべを育てる.
「15人の演者が語り継ぐ 武四郎のリレートーク」の副題がある。「北海道・釧路命名150年を越えて」とも。
2018年7月下旬から8月にかけての9日間、「14話のリレートークを開催」。企画者の提案を耳にしたとき、「聴いてくださる市民はいるのか」。

開催初日の2講座には、延べ70人近い市民がかけてつけてくださって、「北海道・釧路命名150年事業」の幕開けとなった。
土日には各2講座の計6講座。平日夜には一講座宛て8講座があって、予定していた一講座が演者の都合で未開催に。
連日、50名前後の方が聴いてくださった。その統計も報告された。皆勤。全講座受講のお方が知るところ、2名は確実。

そのお一人から、「あんたの話が一番良く理解できた」。帰りがけのエレベーター前で、話してくださった。
松浦武四郎への関心、聞き続ける市民の持久力、毎回終了時間に迫られながら質疑にあてた時間。高等教育機関で2単位分に相当する時間が充当されたことになる。

記念事業は2018年のうちにひとまず終了。
松浦武四郎生誕200年記念の歳でもあって、はるばる来釧された伊勢国松阪市のみなさんの期待もしぼみ、ひとまず武四郎熱は沙汰止みとなった。
しかし、企画者の二人は満足しなかった。クスリ凸凹旅行舎を経営する塩博文氏と、秀和人文研究所を主宰する松橋秀和氏が録音を筆耕、校閲をくわえて出版の運びに。

薄謝で講演を承引した話者15人。聴いてくださった延べ約800人の来場者。
話者は聴くヒトを語りべに育てる達人。来場の市民は次の語りべを育てる<底固い基盤>。
講座は話者が居るのみでは成立しない。聴いてくださる方が居て、光彩と意味を育てる。

本書は、語るヒトあって実現、聴いてくださった延べ800人の方が後押ししたメモリアム。聴いたあの時の感慨を、本書を手に再確認して次代に継承してみたい。取扱は市内主要書店。照会はクスリ凸凹旅行舎へ。
(クスリ凸凹旅行舎・秀和人文科学研究所編『語り継ぐ 釧路の松浦武四郎』 定価本体1000円+税)